どこでも使える目的論

太田英樹

太田英樹

テーマ:コーチングコミュニケーション

マンションあるあるかもしれません。

うちはマンション住まいで、世帯数の割に住人の自転車台数が多く、駐輪スペースにおさまっていない。

みんながルールを守って、他の人のことも考えて駐輪すれば、なんとかおさまるのかもしれませんが、

総戸数12のマンションで、40台近い自転車バイクがあり、専用ステッカーを貼ってないものも相当数ある。

一人が「自分くらいいいか」をやりだすと、みんなバラバラな置き方をして、あとから停める人はスペースがない。

何度か管理会社に相談して対処してもらいましたが、ほとんど変わらず。

比較的毎日帰りの遅い私は、自分のバイクを停めるために、他の自転車を少しずつ動かして、スペースをつくっています。

正直言って、けっこうなストレスだったりします。

特に、数ヶ月前に引っ越して来られた方のバイク(250ccくらいかな)と自転車のセットがけっこうな停め方をしていて、カバーをしているので余計に場所を取る。

「いつか文句を言ってやる」と頭に浮かぶくらいイライラしていました。

そして、昨夜とうとうその瞬間が訪れました。

仕事から帰り、駐輪スペースの近くまで行くと、その大きなバイクのそばに若い男性が。

どうも、今からバイクに乗って外出されるようです。

バイクに乗るために、ヘルメットやカバーが周囲に無造作に置いてあるので、まったく私のバイクを停めるスペースはありません。

ここから先は、ほんの1,2秒のあいだの脳内会話。

クロひで
「停めるとこないやん!またか!もう今日は言わなあかんな」

シロひで
「まぁ、今日は仕方ないんじゃない?今から出かけるところなんだから。待ってあげようよ」

クロひで
「今日だけじゃなく、日ごろのことがあるから、注意するチャンスやん」

シロひで
「言ってもいいけど、お互い気分悪いし、ケンカとかになったらもっとイヤでしょ?」

クロひで
「いや、今日こそビシッと言わなあかん!」

と、シロひでとクロひでが議論しておりました。

次の瞬間、私の口から出た言葉は、

「いいバイクですよねー」

でした。

男性「あ、ありがとうございます」と少し照れた感じ。

私「寒いですよね」「バイク乗りにはツライですよね」という会話をして、

私「お互い、バイク停めるのに苦労しますね」

男性「そうですよね」

というやりとりをして、

「気をつけていってらっしゃい」と声をかけて、その場を後にしました。

もちろん、ステイト上げめで。

今朝、出勤のために駐輪場に行くと、
彼のバイクがキレイに停めてありました。

平本さんのところで学んだ人は、みな何が起きたのかわかると思います。

私が毎日バイクを停めるのに苦労しているという主張するのではなく、
彼の苦労も承認したんです。

苦労しているかどうかはわかりませんが、彼には彼の事情があり、私にはわからない苦労があるはずです。

そこを承認することで、彼の行動が変わったんです。

いつもお伝えしていることですが、

「目的」は何なのかが大事。

感情にまかせて、バイクの停め方を注意した場合、どうなっていたか。

もしかしたら、反省して行動を変えてくれたかもわかりませんが、
揉め事になったり、その場をやり過ごしてあとで嫌がらせされる、なんてこともリスクとしてあり得る。

感情にまかせるでもなく、

嫌味を言うでもなく、

無視するでもなく、

気持ちよくバイクを停めるという「目的」に一番近いと思った選択をしたんです。

これを「目的論」と言います。

途中、クロひでが出てきましたが、クロひでも否定しない。

私の中に居るので、その意見も聴いてあげる。

そのうえで、最終的に結論を出すのは、一人の私。

気持ちのいい答えが出せた

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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