我慢でもなく、嫌味でもなく、怒鳴るでもない
文字でのコミュニケーション
20年前に講師をし始めた頃、ブログを書いていました。
当時はまだまだネット環境も今のようなものではなく、ADSLが主流だったり、ブログ自体の認知度も低い時代。
そんな時代だったので、無名の私でもアクセス数が全国トップ10に入ったこともありました。
今では考えられないですが。
ブログの内容は、私の介護観がメイン。
今のように、全国の介護関係者とZOOMで情報交換なんてことはできない時代ですから、
私が書いたことに対して、コメントでやりとりするだけ。
ぶっちゃけ、よく炎上しました。
認知症ケアについて、
「寄り添って、同じ世界観を体験するのが重要」
みたいなことを書いた時には、
「あなたは介護の現場を知らない人ですね。イチイチ寄り添っていたら仕事にならない」
とか
「素人は黙ってろ」
なんてコメントが山のようにきました。
私も当時は若かったので、そのコメント一つ一つに反論して、相手の意見を否定する。
そんな感じで大炎上して、楽◯ブログが強制閉鎖になったこともあります。
対面でのコミュニケーション以上に難しいのが、文字でのコミュニケーション。
今もfacebookで文字の発信をしていますが、さすがに気をつけていますし、「伝え方」を工夫しています。
「正しいことを相手にぶつける」のはコミュニケーションではありません。
よく、コミュニケーションはキャッチボールに例えられますが、
「正しいことを相手にぶつける」のは、自慢の豪速球を力いっぱい投げているだけで、相手が取れるかどうか考えていない。
どこに、どんな速さで投げたら相手が取りやすいかな?
相手が受け取ってあと、投げ返しやすくしてあげるためには、どのあたりに投げたらいいかな?
を考えて投げる。
キャッチボールはそう。コミュニケーションもそう。
どんな表情で、どんなトーンで、どんな言葉で伝えたら、相手が受け取ってくれるかな?
を考えて言葉を発してあげる。
その意味で、昔ブログを書いていた頃は、受取手のことはまったく考えていませんでした。
自分は正しいことを発信しているのに、どうして理解できないんだ!としか思っていなかった。
そもそも、100人いれば100人とも価値観は違い、受け取り方も違うんだから、
自分の思うように相手が受け取らなかったからといって、相手を批判するのもおかしなこと。
裁判など、正しさが重要な場面もありますが、
コミュニケーションにおいては、正しいかどうかより、納得感があるかどうかが重要。
対面でも、文字でも、
相手の納得感
を考えて言葉を発してみるとうまくいく