会社は、価値観の違う人間の集合体
無駄を省く
仕事をする上で、「生産性」「効率性」というのは、判断材料もしくは目的として重視されるものの一つです。
簡単に言えば、「無駄を省く」ということですが、
何をもって無駄と判断するか、というのは大きな問題です。
なぜか。
それは、何をもって『無駄』と判断するかは『価値観』によるところが大きい、からです。
私の価値観で言えば、
「世の中に無駄なものは一つもない」
になりますが、
人によっては、「あれは無駄、これも無駄」とよく言う方もいます。
無駄な会議、無駄な研修、無駄話、無駄金、無駄な広告などなど。
どちらかと言えば、仕事ができる人ほどその傾向が強いですが、そうではないケースも多い。
例えば、100件訪問営業して、10件が商談になり、その内3件が成約となったら、
1.成約にならなかった97件が無駄なんでしょうか?
2.商談にならなかった90件が無駄なんでしょうか?
3.100件回ったからこそ3件成約が取れたと考えるんでしょうか?
4.成約にならなかった97件も、人脈づくりや将来顧客となると考えるんでしょうか?
どう捉えるかは価値観次第です。
会議や研修はどうでしょう?
「会議をする時間があれば、一つでも仕事をしたほうがいい」
と考える人もいれば、
「内容による」
という人もいますし、
はたまた「することに意味がある」という人もいます。
研修講師の立場から言えば、
「研修を生かすかどうかは参加者次第」です。
会議にしろ、研修にしろ、それそのものは本来無駄なものではありません。
ところが、会議を進行するファシリテーターや、研修講師の伝え方によっては、無駄だという印象を与えてしまうケースもあります。
だからこそ、私は、「伝える」研修から「伝わる」研修にシフトしました。
参加した皆さんが、たとえどんな思いで参加したとしても、少しでも何かを持って帰られるように。
とはいえ、最終的には参加者さん次第。
会議や研修を無駄なものにするかどうかは、フォーカスのあて方、参加姿勢次第です。
いろいろ書きましたが、
無駄かどうかを決めるのが、個人の価値観なのであれば、
価値観の違う者同士で、相手を否定し合っても皆が納得いく答えは出ません。
自分の価値観を一旦傍に置き、相手の価値観に寄り添って話を聴く。
「なるほど、あなたは◯◯を重視しているから、これをやるんだね」
「私は△△を重視しているから、これは必要ないと考えたんだけど、どうしたらいいか一緒に考えてくれない?」
というようなコミュニケーションをとれば、双方が納得できる方法が見つかるかもしれませんよ。