遊びやレクリエーションは人間の特質【高齢者施設・交流サロンのレクリエーション23】
先週・今週と講演会が続き、コラムの更新が止まってしまいました。
今回は、高齢者施設や交流サロンにおけるレクリエーションの意義について、奥西麻由子氏の論文をもとにまとめます。レクリエーションのプログラムを組む際に参考にしていただければと思います。
レクリエーションの4つの意義
奥西氏は、高齢者施設で粘土を用いた創作活動を行い、4つの意義があったと述べています。この4つの内容は、レクリエーション全般に当てはまることですので、抜粋して紹介します。
・楽しさ
・コミュニケーション
・感覚や知覚への刺激
・自己の経験の再構成
楽しさ・コミュニケーション
楽しいレクリエーションを行えばコミュニケーションが増えます。あまり知らない人同士でも、楽しいことに一緒に取り組めば、いつの間にか会話も生まれます。高齢者施設や交流サロンでのレクリエーションでは、あまり健康効果などの他の目的にとらわれることなく、和気あいあいとした雰囲気を作りたいですね。
感覚や知覚への刺激
レクリエーションには手を使う作業を伴うものがたくさんあります。そういった作業を通じて自分の身体感覚を改めて意識することにつながります。段取りを考えたり、完成品を鑑賞することで、知覚や脳の活性化も期待できます。
自分の人生や役割の再認識
「自己の経験の再構成」という表現は、少し難しいかもしれません。レクリエーションを通じて、これまでの半生を振り返ったり、新たな役割を考える契機になるという意味です。これまで自分にとっては当たり前だと思っていたことが、実は他の人から見たら大変な特技であったことに気づいたり、共同作業を通じて新たな役割意識を見出すことにつながるかもしれません。これまでの半生であまり経験することのなかったことへの挑戦を通じて、新たな自分の発見につながる、レクリエーションにはそのような可能性もあるのです。
次回は、人間にとってやっぱり遊びは必要ですというお話をほんの少しだけ書いてみたいと思います。
参考文献
奥西麻由子(2006)「高齢者美術教育の可能性 : 老人介護施設の粘土遊び実践に関する一考察」 『美術教育学:美術科教育学会誌』第27巻 pp.79-91
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