ホワイトボードは双方向コミュニケーションに向いたツール【プレゼンに笑いをプラスするコツ31】

田久朋寛

田久朋寛

テーマ:パワポ等の活用術(笑いあるプレゼン)




しばらく更新の期間が空いてしまいました。この数日は近場での出番が多かったですが、子ども達が入院している病院からデイサービス、県の社会福祉協議会が実施している生涯学習事業の講演会まで、様々な場所で芸を披露し、お話を聞いてもらいました。平成の出番も残りわずかです。新しい時代の到来に向けて様々な新たな試みも実践していきたいと思います。

今回は「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第31回になります。パワーポイントに押され気味ながらも有用なツールであるホワイトボードについて考えてみたいと思います。

パワーポイントと比較したホワイトボードの特徴


最近ではプレゼンと言えばパワーポイントを使うのが当たり前になってきましたが、従来からのアナログツールであるホワイトボードも捨てがたい魅力があります。第30回で記載したように、特に小規模会場ではホワイトボードも有用なツールです。

パワーポイントと比較したときに、ホワイトボードにはどのような特徴があるでしょうか?

・1回に伝えられる情報量が少ない
・書くのに時間がかかる
・遠くからは見づらい

なんだかホワイトボードの悪口を書くコーナーのようになってしまいました。しかし、これらの特徴は本当にデメリットなのでしょうか?むしろ小規模会場では大きなメリットであるというのが私の考えです。

伝える情報量が減ると、じっくりコミュニケーションが取れる


パワーポイントは一度に大量の情報を表示できる便利なツールです。それに比べるとホワイトボードで伝えられる情報は圧倒的に少ないです。しかし、本当に重要な情報をじっくり丁寧に説明するためには、その情報量の少なさこそがメリットに変わります。私はデイサービスなど介護施設を訪問する機会もあります。デイサービスでは一度に情報を詰め込まず、特に丁寧な説明が必要になります。ですので、本当に大事なところをホワイトボードに大きな文字で書いてゆっくり説明するようにしています。

また、書くのに時間がかかりますが、その分書いている間は参加者の皆さんが自分に注目してくれます。近くでないと見えにくいツールである分、近くの席の人は余計に集中して見てくれる効果もあります。

ビジネスの現場で前提知識がある程度全員で共有できている場合は、パワーポイントを用いて一度に多くの情報を伝えることが効果的です。一方で、例えば介護予防の市民講座などで参加者の前提知識が多くない場合などは、情報量が多すぎるとかえって肝心なことが伝えられない場合があります。情報量を絞りたいときは、あえてホワイトボードを使ってみるという選択肢もオススメです。

参加者の声をそのまま拾えるのも大きなメリット


さらにホワイトボードのメリットをあげてみます。

・途中からでも段取りの変更や書き直しができる
・参加者の意見をホワイトボードに書くことができる

パワーポイントは事前に作成が必要なため、当日その場でスライドの順番を入れ替えるのが難しいですが、ホワイトボードはすぐに消し、書き直すことができるので、参加者の反応に合わせて内容を臨機応変に変更できます。

また、参加者の意見・回答をその場で書いて全員で共有することができます(最近ではタブレットなどのデバイスを用いて参加者の意見をリアルタイムで表示することも可能になりましたが、普及はまだまだ先のことかと思います)。一方通行でなく双方向のコミュニケーションをするのに、ホワイトボードは便利なツールです。このような双方向性を活かして

・ちょっとしたブレインストーミング
・話すテーマのミニクイズ

などを取り入れることができます。私は戸籍が残っている人の中で世界最長寿のギネス記録を持つジャンヌ・カルマンさんのお話をすることがあります。ジャンヌ・カルマンさんは122歳まで天寿を全うされました。ジャンヌ・カルマンさんのお話に興味を持ってもらうために、ギネス記録の年齢(122歳)を当てるクイズを皆さんに出題します。答えをホワイトボードに大きな文字でゆっくり書くと、皆さんが非常に注目してくれます。その場の雰囲気を見て、冗談を言っても笑ってくれそうな雰囲気だった場合には、先に十の位の数字(2)を書いて、「これはもちろん百の位ではありませんよ」などと言ったりします。本当に軽い冗談なのですが、これだけでちょっとした笑いを起こすことができます。

パワーポイント、ホワイトボードはそれぞれの利点で使い分けを


これまでホワイトボードのメリットについて書いてきましたが、もちろんパワーポイントにもメリットはたくさんあります。ホワイトボードと比較したパワーポイントのメリットは

・遠くからでも見やすい
・写真や図は圧倒的に見やすい
・多人数に多くの情報を伝えられる

などをあげることができます。

特に写真や図が遠くから見やすいのは、ホワイトボードにはない利点です。大規模会場で多人数を対象にしっかりと情報を伝達したい時には、やはりパワーポイントは非常に強力なツールです。会場の大きさやコミュニケーションの密度などを考えながら、ツールの使い分けをしてみると、よりわかりやすく説得力のあるプレゼンが可能になります。

さて、次回はパワーポイントについて取り上げたいと思います。パワーポイントはきれいなスライドが作れる反面、時間がかかるのが難点ですよね。ワードのある機能を使うとパワーポイントの作成時間を短縮できます。まだ一般にはあまり知られていないと思いますので、ぜひ紹介したいと思います。

※ホワイトボードの利点については、一部下記の文献も参考にしています。

樺沢紫苑(2018)『学びを結果に変えるアウトプット大全』サンクチュアリ出版

※ホワイトボードのイラストは、下記の著作権フリーサイトのものを使用しています。
https://publicdomainq.net/medical-doctor-white-board-0012929/

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田久朋寛
専門家

田久朋寛(セミナー講師)

大道芸人たっきゅうさん

大道芸人として13年のキャリアを持つ。老人介護施設や高齢者大学等で、大道芸とレクチャーとヨガをミックスした健康講演会「ユーモアセラピー」を開講。笑いの効果を生かし高齢者の心身の健康をサポートしている。

田久朋寛プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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