会話のキャッチボールを意識する【プレゼンに笑いをプラスするコツ25】
「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第23回です。お話を魅力的なものにするために、AIDAの法則を意識して構成すると良いことを紹介しました。今回から、第2段階であるInterest(興味)の段階で、お話により多くの参加者に関心を持ってもらうためにできることを紹介したいと思います。(AIDAの法則については、第19回をご参照ください)
お話をわかりやすくするためのポイント
今回は、お話をわかりやすいものにするためにできる3つのポイントを紹介します。小難しい話が続くと、たとえ大事な話であっても興味を失ってしまうものです。せっかく大事なお話や役に立つお話をするならば、わかりやすい方がいいと思います。私がお話を分かりやすくするために、意識していることを紹介します。
・見てわかりやすい
・一緒に参加できる
・実際に体験できる
1つずつ説明したいと思います。
聞いたり読んだりするよりも、見た方が理解が早まる
お話をわかりやすくするために、簡潔でわかりやすい日本語を話すことも大事ですが、実際に生で見た方が圧倒的にわかりやすいです。パワーポイントを使ったり実演できる場合には、参加者に実際に見てもらうことを検討してみてください。
一例を上げます。例えば、健康のための体操を参加者の皆さんに一緒にやってもらうとします。その際に、やり方を口頭でこのように説明したとします。
「まず、右手を上に上げます。左手は腰に添えるようにします。そのままの状態で上半身を左側に向かって倒してください」
この言葉だけでやり方を正しくイメージするのは難しいのではないでしょうか?ですが、このイラストを見てください。
どのように動けばよいか、一発でわかると思います。言葉だけで理解を促すのではなく、視覚情報もうまく活用することで、理解を大幅に促進することができます。樺沢紫苑氏の大ベストセラー「学びを結果に変えるアウトプット大全」によると、ある事柄を視覚情報も用いて説明すると、口頭で説明するより6倍記憶に残りやすいそうです。例えば、
・何かの効果を示すグラフ
・実際の情景がわかる写真やイラスト
などは、準備に手間をかけてぜひ準備していただければと思います。先日大手健康飲料メーカーの職員さんによる健康講座を生で拝見する機会がありましたが、人間の腸の長さがどのくらいか、様々な物と比較するスライドを用いてお話をしていました。参加者の皆さんが非常に関心を持っている様子でした。
実際に参加すると、自分ごとのように感じる
熱心にお話しするあまり、一方通行になってしまうことがあります。できれば参加者の皆さんも一緒に参加できるような内容を適度に散りばめることも意識すると良いと思います。一緒に参加できる内容があった方が、参加者の皆さんが、お話の内容が自分にとっても大事なことだと実感できるようになります。
私は「笑いと健康」のお話をする際に、ゲームなどをして楽しく頭を使う習慣が認知症予防につながる可能性があることをお話しします。その際に、簡単にできるミニゲームを実際に一緒にやってもらうようにしています。
・お話しするテーマのちょっとしたブレインストーミング
・内容に関するクイズ
・実際にできるゲーム
などを入れてみても良いと思います。また、実際に参加できる内容が適宜入ると、参加者の眠気対策にもなります。眠気を飛ばすには口や体を動かすのが一番です。
体験できた方が効果を実感しやすい
プレゼンや講座を行う際には、大半の場合は参加者にとって有益な情報を提供することが目的であるはずです。参加者にとっても、その点は何となく理解していると思いますが、お話をただ聞くだけでなく、実際に効果を実感できた方が納得度が高まります。ですので、ぜひ実際に体験できる内容をお話の中に取り入れてみることも検討してみてください。高齢者を対象とした交通安全教室の様子を拝見することがありました。そこでは、特殊なスコープを使って、夜間に車から見える視野を実際に体験する時間がありました。その後で、歩行者が反射材などを用いて車から見やすいようにすることが大事だと言うお話をしていました。実際にどのように見えるかを体験することで説得力が向上する非常に良い例だと思います。
次回以降も、引き続きお話に興味を持ってもらうためにできることについて掲載したいと思います。3月は講演会の仕事が非常に多いため、週に2回程度の更新になる予定です。ご了承いただければと思います。
参考文献
樺沢紫苑(2018)『学びを結果に変えるアウトプット大全』サンクチュアリ出版
※体操の写真は、こちらの著作権フリーサイトのものを使用しています。
https://publicdomainq.net/woman-exercise-0026038/