プレゼン成功のためには、とにもかくにもアセスメント【プレゼンに笑いをプラスするコツ15】
「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの第16回です。A-PIEプロセスに従って、事前評価(Assessment)が終わったら、計画(Plan)の段階へと移ります。
(A-PIEプロセスについては、第14回をご覧ください。
事前評価については、第15回をご覧ください)
プレゼン全体の骨格を決める
事前評価で、参加者や会場の想定がしっかり行えたら、プレゼンの全体像を決めていきます。具体的には、
・プレゼンを通じて最も伝えたいことは何か
・話の構成
・どのくらい込み入った説明をするか
・パワーポイントやホワイトボードをどのように使うか
・どのタイミングで小休止するか
と言ったことを決めていきます。
ここに取り上げたそれぞれのポイントついては、後日改めて個別に詳しく取り上げたいと思います。
最も大事な目的がぶれないように心がける
計画の段階で一番大事にしてほしいことは、プレゼンや講座を通じて、どのようなことを達成したいのか、目的を明確にしておくことです。プレゼンの技術の上手い下手よりも、目的が大事です。技巧的な面で多少拙くても、目的が達成できれば、プレゼンは一応の成功です。逆にパワーポイントなどの様々な機能を駆使してあざやかなスライドを作っても、肝心のことが伝わらなければ、成功とは言えなくなってしまいます。
目的を定める際に非常に参考になるのは、前の段階の事前評価(アセスメント)です。この段階で、参加者の皆さんや主催者が何を望んでいるか、しっかり把握しておくと、参加者の満足度が高まるように計画を練ることが可能になります。
私は笑いと健康というテーマでお話をしていますが、病院ボランティアを対象とした真剣な研修会と、公民館での地域の高齢者同士の交流を目的としたアトラクションでは、お客さん、主催者の望んでいるものが異なります。真剣な研修会では、学術的な根拠を交えたお話をしっかり行います。一方で、地域の高齢者同士の交流が目的の場合は、必ずしもまじめなお話が求められているわけではありません。むしろ皆さんが楽しめる大道芸を多めに披露したり、地域でそのまま実践できるような笑いの体操を紹介して、その中で、笑いと健康に関する根拠も説明するといった内容の方が喜ばれます。事前評価に合わせて、全体の計画が変化します。
また、お伝えするお話に対して、参加者がどの程度前提知識を持っているかによって、説明の丁寧さを変えます。ほとんどの参加者がテーマについて詳しくない場合は、あまり専門用語を多発すると興味を失ってしまう恐れがありますので、わかりやすくお話しする工夫が必要です。さらに、一番お伝えしたいことがはっきりと伝わるように、様々な内容を詰め込み過ぎないようにした方が良いと思います。あまり根詰めて長いお話をするよりも、適度に区切って小休憩で体を動かしたりちょっとした脳トレを入れることによって、参加者が最後まで楽しく聞けるようになりますので(詳しくは、第11回をご参照ください)小休止用のネタも用意しておくとよいでしょう。
ワードのアウトライン機能がオススメ
さて、プレゼンや講座を準備するのに、どのように構成したらよいか悩むことも多いのではないかと思います。私も普段お話ししないテーマで講演を依頼されたときには、非常に苦労します。構成を固めていくのに非常に便利なツールがあるのでご紹介します。それは、
・ワードのアウトライン機能
です。
どんなお話をするか悩んだときには、頭から順番に話す内容を考えるよりも、先に構成を定めてしまう方が楽です。まずノートやメモに話したい内容をざっと書き出します。そして、ワードのアウトライン機能を活用すると、試行錯誤しながら簡単に構成を定めていくことができます。写真は、私が研修会の資料を作成するために実際に使用したアウトラインです。ワードはただ文章を作成するだけでなく、この写真にあるように、話の構成を先にまとめるアウトライン機能がついています。このアウトライン機能はパワーポイントと連携させることも可能で、アウトラインからごく簡単なスライドならばすぐに作ることが可能です。他の業務で準備に十分な時間がかけられないときなどに、ぜひご活用ください。
実際の使い方は、例えばこちらのサイトをご参照ください。
アウトラインーワード入門
次回は、本番を迎えたときに気をつけたいことを簡単にまとめたいと思います。
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