プレゼンの振り返りには、PDCAよりA-PIEがオススメ【プレゼンに笑いをプラスするコツ14】

田久朋寛

田久朋寛

テーマ:計画・改善術(笑いあるプレゼン)

A-PIE


「プレゼンに笑いをプラスするコツ」シリーズの14回目になります。今回から、回数を重ねるごとに上手になるための振り返りのメソッドについて紹介したいと思います。

内向的で話すのが好きでない人でも、話の技術は磨けます


本題に入る前に、昨日関西大学梅田キャンパスで開催された日本笑い学会オープン講座へ出席し、笑いを心理学の観点から研究している浦光博・追手門学院大学教授のお話を聞いてきました。浦先生は、こんなことをおっしゃっていました。

「内向的で本来人と話すことが嫌いな人もいると思うが、好き嫌いと上手い下手は一緒ではありません。たとえ普段内向的で引っ込み思案であっても、話す技術を磨くことで上手になることはできます。話すことが嫌いだからと最初からあきらめず、無理に好きになろうと思わないで、上手になれればよいのです」

お話を聞いて、我が意を得たり、と思いました。このコラムを読んでくださる皆さんにもぜひお伝えしたい言葉です。好き嫌いと上手い下手は一緒ではありません。カラオケが好きで毎回マイクを手放さない人が歌が上手いかと言ったら、そうとも限りませんよね。プレゼンやちょっとした講座の講師をする時も同じです。人前で話すのが好きでない人、関西弁で言う所の緊張しぃの人も多いと思いますが、適性がないとは限りません。失敗しても少しずつ改善を重ねていけば、誰でも上手になれると私も思います。

ただ、せっかくならやりっぱなしではなく、毎回振り返りをして、やるたびに上手になりたいものです。ここからは、振り返りのためにオススメの方法を紹介します。

プレゼンの振り返りに使えるA-PIEプロセス


福祉レクリエーションンの分野で、A-PIEプロセス(エーパイプロセス)という思考メソッドがあります。このA-PIEプロセスは、プレゼンや講師をする際にも応用可能な便利なメソッドです。A-PIEプロセスには4つの段階があり、それぞれの頭文字を取った名称になっています。4つのプロセスは、以下の通りです。

1.Assessment(事前評価)

会場の大きさ、使える機材、参加人数、参加者の客層、興味関心の度合い、前提知識などを予め想定しておく段階です。

2.Plan(計画)

事前評価に合わせて、どのような流れで話をするか、どのテーマにどのくらいの時間配分をするかなどの計画を立てます。

3.Implementation(実施)

実際にプレゼンや講義を行います。やりながら参加者の反応などをチェックしておきます。

4.Evaluation(評価)

本番を振り返ります。参加者の反応、理解度、ペース配分などを評価し、改善するべき個所を見つけていきます。事前評価、計画に不十分なところがなかったかについても確認します。

プレゼンや講座の講師をすることが決まったら、毎回4つの段階を繰り返していきます。最後に振り返りを行いながら、事前評価、計画の質を向上していきます。最初はなかなかコツをつかみにくいかもしれませんが、慣れてくるにつれて、自分の話の技術が向上していくことを実感できると思います。写真はA-PIEプロセスを図にしたものです。

PDCAよりA-PIEがオススメな理由


さて、ここまでご覧いただいて、あれ、なんか似たようなのあったな、と思った方も多いのではないでしょうか?ビジネスの世界でPDCAサイクルというものがあります。Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)を繰り返しながら、改善を図っていくサイクルのことです。計画を常に検証し、改善していくことの重要性は今やすっかり浸透し、日常会話ですら、特別な方法論を用いずに単に改善することをPDCAを回すと言ったりすることもあります。

PDCAがメジャーなんだからわざわざA-PIEなんてマイナーなの持ってくる必要ないのでは?と思う方もいるかもしれません。ですが、私の長年の経験から、プレゼンや講師など(だけでなく大道芸をする時も)、多くの人の前で場の進行を担う役割を務める際には、A-PIEプロセスを用いることを断然オススメします。なぜオススメかと言うと、

・計画(Plan)の前段階で、必ず事前評価(Assessment)を行う

からです。

他の人の前でお話をする際には、事前評価がとても重要です。例えば、市民講座で介護予防のお話をしなければならなくなったとします。その時に、講座に来てくれるお客さんが介護予防に熱心なのか、あるいは自分にはあまり関係ないと思っている人ばかりなのかで、話に対してどの程度興味があるか全く変わってきます。このようなことを事前評価の段階でしっかり想定しておくことで、計画を立てる際に、お話しするべき内容もよりはっきりとわかってきます。計画の質を上げるためには、事前評価がとても大切で、事前評価と計画を別の段階に分けているA-PIEプロセスの方が、PDCAサイクルよりオススメです。

A-PIEプロセスは元々福祉レクリエーションの質を上げるために開発された方法で、多人数の前で場の進行を上手に行うためのものですから、プレゼンとの相性も良いです。一方でPDCAサイクルは、ビジネスとしての事業を軌道に乗せるためのものです。どちらも非常に優れた方法であることは間違いありませんが、守備範囲が違うといったイメージです。

次回からは、A-PIEプロセスの4つの段階について、もう少し詳しく見てみたいと思います。

また、4つの段階についてのコラムの掲載が終わった後に、A-PIEプロセスに従って事前評価、計画、振り返りを行うための簡単なシートのひな形をwordファイルで提供する予定です。日頃の業務で改めてひな形を作る時間がない方に活用していただければと思います。

※A-PIEプロセスの図は拙著「笑って楽しい!高齢者レクリエーション」(法研)から引用しています。

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田久朋寛
専門家

田久朋寛(セミナー講師)

大道芸人たっきゅうさん

大道芸人として13年のキャリアを持つ。老人介護施設や高齢者大学等で、大道芸とレクチャーとヨガをミックスした健康講演会「ユーモアセラピー」を開講。笑いの効果を生かし高齢者の心身の健康をサポートしている。

田久朋寛プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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