普段全く面白くない人でも、プレゼンで面白い話はできます【プレゼンに笑いをプラスするコツ10】
前回のコラムでは、笑いのあるプレゼンにするためには楽しい雰囲気づくりが重要だとお伝えしました。場の雰囲気を楽しいものとするために私が重要だと思っているポイントが3つあります。今回は3つのポイントについて、心理学用語を交えながら紹介します。
大事なのは心理的安全性・相互信頼・共感
意識したいポイントは以下の3つです。
・心理的安全性
・相互信頼(ラ・ポール)
・共感
やや専門的な用語が出てきましたので、用語について解説します。
批判や攻撃を受けず居心地の良い空気が「心理的安全性」
「心理的安全性」という言葉は比較的最近生まれた心理学用語で、元々はチームの生産性について研究する中で発見された概念です。その場にいても批判されたり馬鹿にされたり嫌な思いをすることがなく、居心地が良いと感じる気持ちのことを心理的安全性と言います。プレゼンとは関係ないのでは?と思われた方も多いと思いますが、私はプレゼンでも心理的安全性は大事だと思っています。例えば、健康講座や保健指導でお話を聞くときに、日頃の生活習慣について怒られたら嫌だな~と思ったら、身構えてしまいます。セールスマンから売り物の説明を聞くときでも、無理やり売りつけられたら嫌だと思うと最初から話を拒絶したくなります。ですから、話し手側の人は、まずは聞き手側の人に居心地の良いと思える時間を提供することが大切になります。
お互いの信頼関係を築く
そして、話し手と聞き手の相互の信頼関係を築いていきます。聞き手側の人が、話し手側の人が信頼に足る人物だと思うことは重要ですが、話し手側の人も聞き手が熱心に聞いてくれた方がお話をしやすいので、相互の信頼関係が大切です。医療分野では、医療者と患者の信頼関係を「ラ・ポール」と言うそうです。
最後に大切なのは共感
最終的に重要なのは、聞き手がお話に対して共感してくれることです。健康教室、保健指導、交通安全教室などは、話の中身が大事なのはほとんどの大人は頭では理解していますが、お話に共感できれば、じゃあ何か行動習慣を変えてみようかなと思ってくれます。プレゼンで目指すのは共感してくれることで、共感が得られれば成功です。しゃべり方が上手だとか拙いといったテクニックも重要でないとまでは言えなくとも、上手に話すことが最終目的ではありません。
まず心理的安全性を確保し、お互いの信頼関係を築き、最後に共感を得る、この順番を意識すると、場の雰囲気を楽しいものに変えやすくなります。
心理的安全性や、お互いの信頼関係については、次回以降にもう少し掘り下げてみたいと思います。
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