吹き抜けのあるリビングのメリットとデメリット
階段次第で暮らし方が変わる
昔の日本家屋の階段は暗くて急勾配で、怖いイメージでした。それにくらべると現代の階段は、上り下りも楽になり、採光の役割を持つなど明るい階段が多くなりました。
階段は上下階をつなぐ通路ですが、それ以上の意味を持たせることができます。
たとえば、子どもが玄関から2階の子ども部屋へ直行するような間取りは、子どもが出かけたことに気づかないなど家族間のコミュニケーションに影響します。
しかし、自室に行くときに必ずリビングに入るなどリビング階段を設置することによって、家族がつながるような家づくりが可能となります。階段次第で暮らし方が変わるのです。
また途中に大きな窓を設置し、外の風景を取り入れると、明るく開放的な空間になりますし、踊り場を広くとり、本棚などを設置すると、階段に腰掛けて読書をするなど階段が図書館になり、自然に本と親しめる環境づくりができます。
飾り棚を設け、ギャラリーのようにして楽しむのもいいでしょう。このようにアイデア次第で、上り下りが楽しくなる階段を作ることができます。
インテリアとしてのガラス階段
さらに階段はインテリアとしての可能性も秘めています。
吹き抜けで解放感のある階段、飾り棚やテレビ台を兼ね備えたリビング階段にすることで、家のシンボルにもなるようなオシャレなスペースをつくることができます。
たとえば階段の踏み板は、普通は木製ですが、ガラスのような透過素材を使うと、生活感を感じさせない美しいオブジェとなります。木製の踏み板は遮光しますが、ガラスは光を通します。階段の途中や上りきったところに窓を設置することによって、自然の光を下まで落とすことができ、明るく快適な空間になります。
リビング階段にガラスの踏み板を取り入れると、空間の主役のような存在感を放ちます。時間によって刻々と変化していく光の色合いは、ときに感動的でさえあります。
廊下にも視覚的な楽しみを取り入れる
廊下もまた階段と同じ移動空間ですが、それだけで終わらせるのはもったいないというものです。
無駄のない動線をつくる一方で、いろいろな機能を持たせましょう。いつでも手にとれる場所に本棚を設ける、ソファを置いてくつろぎのスペースを設ける、ニッチをつくってコレクションを並べてみるのも良いでしょう。
また訪れたお客さまをもてなすように、壁面に趣味の絵画や写真を飾ってギャラリーのような趣きを持たせるのも素敵ですね。
また屋根に天窓を設け、その明りを階下にも活用したい場合は、2階の廊下をガラスのような透過素材を利用すれば、1階の廊下にも自然の光を取り入れることができます。
廊下や階段は一日に何度も往復する動線上にあるので、移動が楽しくなる工夫をすれば、家全体のイメージもアップし、暮らしの幅も広がります。