区分所有法の主な改正内容(4)
区分所有法が改正され、それに準じてマンション標準管理規約(以下「標準規約」と言います。)も改正されことを受け、当事務所においても管理組合様の規約改正の支援が多くなってきています。
今回の大きな改正内容は決議要件の緩和で、その緩和により建物の維持管理が適正に行われことを目的としており、またできる限り議決権を行使できる者を増やして、管理組合の運営に参加してもらうことです。その1つが、区分所有法第六条の2で新しく規定された「国内管理人」です。
(国内管理人)
第六条の2 区分所有者は、国内に住所又は居所(法人にあつては、本店又は主たる事務所。以下この項及び第三項において同じ。)を有せず、又は有しないこととなる場合には、その専有部分及び共用部分の管理に関する事務を行わせるため、国内に住所又は居所を有する者のうちから管理人を選任する事ができる。
2 前項の規定により選任された管理人(次項及び第四項において「国内管理人」という。)は、次に掲げる行為をする権限を有する。
一 保存行為
二 専有部分の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
三 集会の招集の通知の受領
四 集会における議決権の行使
五 共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して負う債務又は規約若しくは集会の決議に基づく他の区分所有者に対して負う債務の弁済
3 区分所有者は、第一項の規定により国内管理人を選任した場合において、又は管理組合法人が存立するときは、遅滞なく、管理者又は管理組合法人に対し、国内管理人を選任した旨並びに国内管理人の指名又は名称及び住所又は居所を通知しなければならない。
4 区分所有者と国内管理人との関係は、第二項に定めるもののほか、委任に関する規定に従う。
そして、標準規約では、第31条の3で次のように規定されています。
(国内管理人)
第31条の3 組合員が国内管理人を選任した場合は、直ちにその旨並びに国内管理人の氏名又は名称及び住所又は居所を書面又は電磁的方法により理事長に届け出なければならない。
2 組合員は、前項の規定により届け出た国内管理人の選任を終了させた場合又は届け出た内容に変更があった場合には、直ちにその旨を書面又は電磁的方法により届け出なければならない。
「国内管理人」制度が新しく規定されたのは、特に東京都23区内のマンションですが、国外に住所がある人が取得することが多くなってきており、そのような区分所有者が議決権行使をしない場合に重要な決議を行えなくなってきたことが、1つの理由で、この制度は決議をスムーズに行えるために大いに助けになると思います。
しかし、本日の日本経済新聞に、『マンション新制度「国内管理人」 悪用で修繕に危機?』という記事が掲載され、この制度に関して少し苦言を呈しています。
まず、国内管理人の資格要件が規定されていないため、誰にでもなれてしまうことです。区分所有法にも標準規約にも規定されていません。
もう1つは、区分所有法は任意制度にもかかわらず、管理規約で義務化する動きが一部で見受けられ、修繕の際に問題となったなりすましのような悪用がされる恐れがあるということです。
現在、管理規約の見直しをされておられる管理組合様、これから見直しの検討を予定されている管理組合様は、下記の記事をご覧いただき参考にしていただければと思います。
日本経済新聞記事(2026.07.16)
『マンション新制度「国内管理人」 悪用で修繕に危機?』


