新型コロナウィルス感染拡大防止に伴うテナント賃料の滞納について

田沢剛

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テーマ:時事ネタ

弁護士の田沢です。

新型コロナウィルスの感染拡大防止のために休業を余儀なくされた中小事業者が,事業収入の減少によりテナント賃料を支払えなくなった場合,テナントの大家さんから賃料滞納による契約解除及びテナント明渡しを求められるケースが増えると思われるところですが,このご時世では,直ちに解除の効力が生じるものではないとして争う余地があります。
賃貸借契約書において,賃料の遅滞を契約解除事由と定められていたとしても,契約当事者の信頼関係を破壊するに足りないと認められるような特別な事情があれば,契約解除の効力は生じないとされています。賃料の滞納額が3~4か月分に達していなければ,未だ信頼関係を破壊するに足りないと言われていましたが,仮に,滞納額が3~4か月分に達したとしても,行政の要請で新型コロナウィルスの感染拡大防止のために営業を自粛したため,事業収入が減少して賃料を支払えなかったという事情があるのであれば,それは中小事業者全般に当て嵌まる無理からぬ事情といえるでしょうから,特別な事情があるとも言えますよね。
参考URLは,下記のとおりです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624607.pdf#search=%27%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%88%E5%AE%B6%E8%B3%83%E3%81%AE%E6%94%AF%E6%89%95%E3%81%84%E3%82%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%27
大家さんに契約を解除されてテナント明渡しを求められたとしても,争う余地があることを認識しておく必要があります。

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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