この最高裁判決をどう理解する?

田沢剛

田沢剛

テーマ:男女問題

弁護士の田沢です。

本日,元妻の不貞行為により離婚するに至った元夫が,元妻の不貞の相手方に対し,離婚慰謝料を請求した訴訟の最高裁判決がありました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190219-00000071-jij-soci
判決文は,次のとおりです。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/422/088422_hanrei.pdf
「離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事柄である。」としているところをみると,まるで不貞行為と離婚との因果関係は原則として存在しないかのような判断ですよね。
しかしながら,民法は,裁判上の離婚原因の一つとして不貞行為を規定しているんですよね。そうすると,民法自体は,不貞行為と離婚との間に因果関係があることを前提に規定しているのではないでしょうかね?よって,不貞行為と離婚との間に因果関係が存在しないことを積極的に証明されない限り,因果関係があるものとして不貞の相手方に慰謝料の請求ができるものとした方が民法と整合的だと思うんですけどね。
みなさんは,どう思われますか?

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田沢剛(弁護士)

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裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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