痴漢で勾留認めず!

田沢剛

田沢剛

テーマ:刑事事件雑感

弁護士の田沢です。

最高裁が,勾留を認めない判断をしました。これまでは,被疑者の言い分が被害者の言い分とが異なっている場合,被害者に接触して罪証隠滅を図る恐れがあるなどと平然と判断されて,勾留されていたものですが,最高裁は,被害者に接触して罪証隠滅を図る恐れがあることの根拠を示せなければ,勾留は認められないと判断しています。人質司法にようやく風穴が開きつつあると感じます。同じ事案10件について,身柄拘束をしないで捜査をすると,うち1件で罪証隠滅がなされたとしますと,そのたった1件のために,残りの9件についても罪証隠滅の恐れがあるとして身柄拘束するのかってことなんですよね。10件のうち9件が罪証隠滅をしないのであれば,罪証隠滅をしない確率は90パーセントで,罪証隠滅をする確率は10パーセントに過ぎません。それでも,罪証隠滅の可能性があると言いますか?普通は言わないでしょう?むしろ,罪証隠滅の可能性は低いと言うでしょう?
http://kanz.jp/hanrei/data/html/201411/084640_hanrei.html

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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