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田沢剛

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田沢剛(たざわたけし)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

コラム

まんだらけ事件に寄せて

2014年8月21日 / 2018年8月25日更新

弁護士の田沢です。

こ盗品取戻しのために画像公開に踏み切ろうとして店側の強い姿勢が耳目を引いたようですが,刑事事件としては,それほど話題になるようなものではないのですがね。

http://www.bengo4.com/topics/1940/
東京・中野の中古ショップ「まんだらけ」が、万引き犯の顔写真を公開すると宣言し、話題を呼んだ問題は、容疑者のアルバイト男性(50)が8月19日に逮捕されたことで、新たな展開を迎えた。
報道によると、男性は8月4日午後5時ごろ、まんだらけ中野店で、ブリキ製の「鉄人28号」の人形を盗んだ疑いが持たれている。その3日後、中野区にある古物店で、その人形を売却したのだとされる。まんだらけの店頭では27万円で売られていた人形だが、古物店の買い取り額は6万4千円だったという。
モノを盗むのは「窃盗」の罪だが、盗むだけでなく、盗んだ品をどこかの店に売った場合、また別の犯罪となるのだろうか。刑事事件にくわしい田沢剛弁護士に聞いた。
「そもそも、ある行為を法律で禁止することの背景には、必ず『守るべき何らかの利益』があります。これを『保護法益』といいます」
田沢弁護士はこのように切り出した。
「窃盗罪の保護法益は、『人が平穏にモノを支配している状態』で、究極的には『所有権』などを守ることだと考えられています。
所有権は、モノが盗まれた時点で、十分に侵害されてしまいます。その後にモノが壊されたり、売られたりしても、所有権がそれ以上侵害されるわけでも、他の権利が侵害されるわけでもありません」
つまり、盗んだ物を誰かに売っても、新たに権利が侵害されるわけではないということだ。そうなると、万引きの後に、物を売る行為はどうなるのか?
「もとの所有者との関係では、何ら犯罪にはならないということです」
「一方で、万引き犯が、盗んだ品物を『自分の物』として古物店に売りつけ、古物店がそれと知らずに買い取ってしまったという場合には、窃盗罪とは全く別の『詐欺罪』(刑法246条1項)が成立します。
万引き犯が持ち主であると信じて購入した古物店は、騙されて代金を支払わされたことになります。この場合、さきほどの窃盗罪とは、全く別の人の、別の権利が侵害されています。したがって、新たな犯罪になるわけです」
●古物店が「騙されていない」場合は?
「ただ、あくまで仮定の話ですが、古物店が『盗品だ』とわかったうえで買った場合なら、少し事情が変わってきます」
どういうことだろうか。
「まず、万引き犯が古物店を騙そうとしたけれども、古物店が盗品であることを見抜いたうえで、あえて買い取ったというケースですね。
その場合、古物店は騙されていませんから、売った側は『詐欺未遂』の罪になります。
こうした場合、店側も『盗品等譲受罪(刑法256条1項、2項)』で罰せられます。こうした行為は、もとの所有者が盗品を取り戻すことを難しくしてしまうからです」

田沢弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコム トピックス)

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