NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
神奈川県警の不祥事は,今に始まったことではありませんが,それが横浜地検のみならず,横浜地裁にも波及しました。刑事事件として警察が動いても,犯罪被害者は安心できなくなった世の中って,本当に怖いです。私たち弁護士は,加害者たる被疑者の弁護人を頼まれると,被害者と示談することを考えます。示談が成立したら,被害者も被害届を取り下げてくれて,被疑者は起訴されずに済むことが往々にしてあるからです。特に,わいせつ罪などは,親告罪といって,告訴がないとそもそも起訴できないので,示談をすることにより告訴を取り下げてもらえれば,加害者は処罰されることはありません。他方,捜査機関からすると,起訴するかどうかが決まっていない捜査の段階で,被疑者が被害者と接触することになると,それが弁護人の活動であったとしても,折角,捜査をしてきたことが無駄になってしまうからでしょうか,事件を潰されてしまうとの懸念から,接触を嫌がります。かつては,そんな事情から被害者情報を教えてくれなかったように思いますが,最近は,ストーカーなど,報復される恐れが強いことを理由に被害者情報を教えない傾向が強まっているように思います。余りにもその点が強調されてしまうと,今度は,過ちを犯した加害者は,裁判が終わった後でさえも被害者や遺族と接触することができなくなり,却って贖罪の念を醸成したり,社会復帰したりすることの妨げにもなりかねません。非常に難しい問題ですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130614-00000025-asahi-soci
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