NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
以前，「弁護士法人の破産？」として掲載しましたが，代表弁護士となっていたM弁護士も同時に破産となっているようです。
http://blogs.yahoo.co.jp/nb_ichii/33959899.html
この記事には，「弁護士の破産は珍しくなくなった」とか「預り金は借金ではない」などと記載されています。しかしながら，弁護士の破産が珍しくなくなったほど多数あるなんてこと，聞いたことがありません。また，「預り金が借金ではない」とはいっても，預り金返還義務という債務であることに変わりはありません。ただ，この預り金を遣い込んでしまったことが，いわゆる業務上横領になるとしたら，債権者にとっては，預り金返還請求権があるのと同時に，不法行為に基づく損害賠償請求権があるということになります。裁判所が免責許可決定をした場合，預り金返還請求権は，一般の破産債権と同様に免責の効果が及ぶのですが，「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は，免責の効果が及ばない非免責債権とされていますので（破産法253条1項2号），債権者としては，免責許可決定が出た場合でも，こちらの請求権を主張することで責任追及が可能となります。ですから，「騙されてお金を貸してしまった。」という場合でも，債権者としては，裁判所に対して免責を認めないように主張するとともに，仮に免責許可決定が出て確定した場合でも，損害賠償請求権であることを主張することで責任を追及できる可能性があるのです。
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