NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
経営破綻した武富士の元社長に対する損害賠償請求訴訟について,横浜地裁がいい判決を下していたにもかかわらず,東京高裁は,これを全面的に取り消してしまいました。
http://www.asahi.com/national/update/1129/TKY201211290380.html
これでは,顧客が多い企業ほど,経営者の責任は希薄になっていくと言っているに等しく,その感覚を疑いますね。企業コンプライアンスが叫ばれているのに,上級裁判所の発想が時代遅れなのは,古い時代の裁判官が年齢を重ねてそのままの感覚で上級裁判所の職務に就くこと,上級裁判所の審理が,基本的に記録のみで審理するため,デスクワークに陥っていること,恵まれた生活を保障されており,世の中の動向に対する緊張感に乏しいことなど,色々考えられます。
この東京高裁判決が出た結果,まだ判断をしていない地裁の裁判官は,自分の頭で考えずに,安易にこの判断に沿った判決を書くでしょう。