NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
銀行の入出金明細ですが,大手都市銀行が「10年以上前の部分は廃棄した」と主張したのに対し,とある裁判所がこの主張をいとも簡単に認めました。大手都市銀行において,口座自体が解約されていないのに,その入出金明細書のうち10年以上前のものが保存されずに破棄されているなどということが凡そあり得るのでしょうか。確かに,口座名義人が昔の通帳をなくしたとかで,10年以上前の入出金明細書を発行してもらおうとすると,10年以上前のものは発行できないといわれることがあります。けれども,これって破棄されて存在しないから発行できないのではなく,いちいちマイクロフィルムから探し出して,切り貼りしなければならないのが面倒臭いから,一律に10年以上前のものは発行できないといって拒否しているに過ぎないんです。実際にも,昭和の代からの入出金明細書をきちんと開示してくれる大手都市銀行だってあるんです。裁判官は,もっと裁判所の外に出て働く経験が必要だと感じましたね。