武富士の元社長に対する損害賠償請求

弁護士の田沢です。
過払金返還請求のあおりを受けて，消費者金融会社も倒産してしまう事態になってきました。最近の大型倒産では，東京の武富士，大阪のクラヴィス（旧リッチ）などです。
倒産した消費者金融会社本体から過払金を回収できなくても，過払いとなっていたにもかかわらず借主に返済を続けさせたとして，消費者金融会社の元社長に対し損害賠償を求めた訴訟で，横浜地裁がこれを認めた判決を先日出しました。
http://mainichi.jp/select/news/20120720k0000m040111000c.html
過払いとなっていることを承知で，これを秘匿して返済を続けさせておきながら，借主が過払いに気付いてその返還を求めたら，倒産するから返済できないとか，実際に倒産させて僅かな配当しかもらえないなどということがあってよいのでしょうか。この間，社長をはじめとする役員らが，過払金を原資とする多額の役員報酬をもらっていたとしたら，やはり許されないと思います。
上記の横浜地裁判決を出した裁判長は，実は，小職が名古屋地裁に勤務していた時に一緒に仕事をしていた先輩裁判官ですが，今後も庶民感覚を失うことなくいい判決を出して頂きたいものです。