NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
交通事故の損害賠償について,面白い例があります。ご主人は,正社員として勤務する一方,家事は奥様に任せておられ,他方,奥様は兼業主婦で,正社員として勤務し,ご主人と同程度の収入があるとします。交通事故により,いずれも頚椎捻挫で14級の後遺障害を負ったとしますと,将来の逸失利益については,金額がほぼ同じでしょう。しかしながら,症状固定までの通院期間において,どちらも勤務に影響が出ない時間帯に通院していたとすると,ご主人については休業損害はないのに対し,奥様は,主婦も兼ねていることから,いわゆる主婦休業の損害を認められるのです。家事労働を馬鹿にしてはいけないということですね。