交通三悪

弁護士の田沢です。
京都・亀岡で登校中の児童に無免許運転の車が突っ込んで死傷者を出した事件，危険運転致死傷罪による立件が見送られ，自動車運転過失致死傷罪での立件となったことが巷で問題になっています。被疑者の少年は無免許で一晩中運転していたことから居眠りをして事故を起こしたようですが，検察としては，それまでも無免許運転を繰り返していた模様であることから，運転技術に有る程度習熟している可能性があり，よって，無免許であるというだけでは，危険運転致死傷罪の「その進行を抑制する技能を有しないで自動車を走行させた」という要件に該当するとはいえないと判断したとのことです。無免許運転は，飲酒運転，スピード違反とともに，交通三悪の一つとされており，それ自体が危険であると言われているにもかかわらず，「無免許である」＝「進行を抑制する技能を有しない」という図式が成り立たないことに，被害者や遺族としては，怒り心頭でしょう。実際に使えない罰則なら，設けた意味がないんですけどね。