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コラム

小沢一郎裁判

2012年4月27日

コラムカテゴリ:ビジネス

弁護士の田沢です。
昨日の無罪判決により,いわゆる刑法上の「共謀共同正犯」を再確認する必要がありそうですね。「正犯」とは,自ら罪を犯す意思をもってこれを実行した者をいい,共謀共同正犯は,自らは実行していなくても,実行者と意を通じて罪を犯したものです。「正犯」は「従犯」とは違うのであり,「正犯」の概念からすると,自ら実行したのと同じだと評価をされるほどに「罪を犯す意思」が必要だと考えられます。しかしながら,実務上,「意を通じて」という言葉で片付けられて,さも,意を通じてさえいれば,「共謀」があったとされているのが実情で,本来なら精神的に加担した「従犯」に過ぎないような事案までもが,「共謀」があったとして「正犯」扱いされて起訴されており,裁判所も弁護人も平然とこれを見逃している気がします。
「共謀共同正犯」と疑われても,「従犯」に過ぎない場合には,正犯性を否認すべきです。

この記事を書いたプロ

田沢剛

法的トラブル解決の専門家

田沢剛(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所)

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