銀行口座の取引明細

ちょっとした民事事件で，裁判所を通じて，大手都市銀行に対し，ある特定口座における平成5年頃からの入出金明細表の情報を調査するよう求めたところ，10年以上前の入出金明細は保存していないなどと回答してきました。銀行は，そんなに簡単に入出金明細表を廃棄するものでしょうか。ましてや，平成5年ころというと，コンピューターも開発されてきたでしょうから，データを消去してしまうなんてことはあり得ないと思っています。数年前に，別の大手都市銀行に対し，同じように入出金明細表を開示するよう求めたところ，昭和50年代からのものをきちんと開示してきました。同じ大手都市銀行で，データ保存の状態がそんなに異なるとは思えませんから，回答を拒否してきた大手都市銀行の方は，裁判所の要請に対し，まともに回答するのが面倒臭かっただけではないかと思っています。もしもそうであれば，裁判所は簡単に騙されているということになり，逆にいえば，いとも簡単に騙すことができるということもなってしまうのです。