会社でない者は,…

田沢剛

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会社法7条は,「会社でない者は,その名称又は商号中に,会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。」と規定しております。取引の相手方が,会社であると信用して取引をしたのに,実は会社ではなく,損害を被ったということが生じないようにするための規定だと思われますが,この規定に違反した場合,会社法978条2号において,100万円以下の過料に処することとされています。「過料」であって「科料」ではありません。後者が刑事罰であるのに対し,前者は,行政罰というものです。「科料」は,刑法上「千円以上1万円未満」とされていますので,「過料」であっても刑事罰よりも金額が高いことがあるということはあり得ます。しかしながら,刑事処罰の対象ではないという意味では,余り立件されることはないでしょうから,規制といっても名ばかりで,刑事罰の対象とすべき事案もあるように思われます。もちろん,「会社」であることを偽装して取引をした場合には,別途詐欺罪が成立するから,そっちで処罰すればよいという意見もあるでしょうけれども。

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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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