NHK受信契約に関する東京高裁判決
弁護士の田沢です。
民事の裁判期日で法廷に行くと,自分が担当する事件の順番が回ってくるまでは傍聴席で他の事件を傍聴していることが多いのですが,聞いていると,「おやっ?」と思うことがあります。裁判所での事件解決を求めているにもかかわらず,裁判官が「次回期日に和解が成立するように,期日外で交渉しておいて下さい。」とか「可能な限り期日外で話を纏めて下さい。」などと言ってきます。これでは,何のために裁判所を利用しているのか分かりませんよね。裁判官は,可能な限り判決を書かずに和解で事件を終わらせたいという気持ちがあるのですが,これでは和解そのものも当事者で勝手にやっておいてくれ,と言っているようなものです。双方に弁護士の代理人がついている場合には,期日外で話をすることは可能ですが,本人訴訟の多い簡易裁判所でこれをやる裁判官がいると,市民の身近な司法を標榜している簡易裁判所の理念とは掛け離れることになります。