NHK受信契約に関する東京高裁判決
交通事故等により負傷した被害者は,入通院を余儀なくされることにより収入が減ってしまった分の損害賠償を請求することができますが,専業主婦のような家事従事者はどうなるでしょうか。この点について,最高裁は,家事労働についても財産的価値を見出し,家事労働に従事できなかった期間につき休業損害を認めています。その場合の算定基礎収入額は,女性労働者の全年齢平均の賃金額によることになります。あくまでも「家事労働に従事できなかった期間」としている以上,入通院日のみに限る必要はないと思われます。家事労働に対する影響は,入通院日のみに限られないからでしょう。有職の主婦の場合にはどうなるのか,男性の専業主夫の場合はどうなるのかなど,明確に解決できていない問題もありますが,この点については次回以降に触れてみたいと思います。