共同住宅の生活音トラブル

田沢剛

田沢剛

共同住宅に暮らしていると,隣や階上の部屋からの物音でトラブルになるケースがあります。これって,解決が難しいです。生活音の感じ方って,人それぞれで,気になる人もいれば,気にならない人もいる…。直接,その部屋の住人に抗議に行くと,それが原因でトラブルとなり,殺人事件に発展することもないわけではありません。以前,隣の生活音がうるさくて,抗議の意味で壁を叩いたら,傷害事件にまで発展したという刑事事件を担当したことがありました。実は,私自身,以前,マンションに住んでいて,上の住民の足音が響いて平穏な生活が送れなくなったことがあります。大家に言っても,管理会社に言っても,結局は,その苦痛を理解してもらうことができず,明け方4時ころだったか,足音が響いてきたので,抗議に行ったことがありました。もちろん,それまで色々な共同住宅で暮らした経験のある私としては,それまでそのような苦痛を経験したことはなかったため,そのときの物音は耐えられないものだと自信を持っていました。どの程度の物音が響いてきているのか,耐えなれないものかどうかの立証をするのって大変です。身軽な人であれば,さっさと新しいところに引越すという方法もありますが,自分は被害者なのにと思うと腹立たしいです。毎日の生活ですから,被害者なのだけれど,それが原因で加害者になってしまった人は,本当にお気の毒です。

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田沢剛
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田沢剛(弁護士)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

裁判官時代に民事,刑事を含めて様々な事件を担当しました。紛争処理にあたり,裁判所がどのような点を問題にしているのか,どの部分の証拠が足りないのかなど,事件の見通しを踏まえたアドバイスを心掛けています。

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