清算人

弁護士の田沢です。
法人の破産管財人が破産手続を終えても，その法人が清算結了により消滅するのかというと，必ずしもそうではありません。破産管財人が管理している破産財団のうち，破産管財人によっては処分できない財産というものもあり，破産管財人において，裁判所の許可を得た上で破産財団から放棄するものもあります。例えば，破産手続中においては売却できなかった不動産を破産財団から放棄したところ，手続が終わってから買受希望者が現れたとかで，これを売却できることになった場合，今度は，清算人というのを裁判所に選任してもらいます。もちろん，破産管財人が破産財団から放棄した後においてもなお破産手続が継続している場合でも，その不動産を処分するために清算人を選任しなければならないということもあります。この場合は，破産管財人と清算人が併存することになります。この場合，税務申告は一体どちらがやるのか，といった問題も生じ，この点を明確に述べた文献はありません。