鞭打ち症

弁護士の田沢です。
交通事故による被害で鞭打ち症になられる方が結構います。通院しても，最終的にはこれ以上は症状が改善されないということで症状固定と診断され，後遺障害14級（「局部に神経症状を残すもの」）と認定されることがあります。14級は，労働能力喪失率が5パーセントとされ，将来において得られたであろう収入の5パーセントが失われたとみて，その分の損害賠償を請求できるのですが，裁判実務において，一般的には労働能力喪失期間は67歳までとされているにもかかわらず，鞭打ち症の場合，症状固定から5年と区切られてしまうことが多々あるのです。医者から症状固定と診断されているにもかかわらず，5年で症状が改善するというわけです。リハビリを続ければ，5年くらいで症状が改善するというのであれば，症状固定との診断自体がおかしかったことになりますよね。5年で区切ってしまうことに疑問を感じる次第です。