相続の専門家 『平塚駅前|相続まちなかステーション』 代表の加藤俊光が雑誌に掲載されました
すっかり葉桜となった穀雨の前日の午後でした
新年度がスタートし、早いもので4月も半ばを過ぎました。相続まちなかステーションのある平塚の駅前ではランドセルに黄色いカバーを付けて歩く新1年生や、この4月から新生活を始められた社会人の皆さんもようやく新しい環境に慣れてきたころに見えます。そんな、4月18日(木)の昼下がりにFM湘南ナパサ『ナパサタイムス☆アフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。
番組の内容 相続の基礎知識Ⅰ ~ 相続人と法定相続分 ~
2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で94回目の出演となりました。2019年度もスタートしましたので、私たちもここで初心に戻って、3回シリーズで「相続の基本のキ」を見ていきたいと思います。
まずは、今月もテーマに関わる出題をしますので皆さんも一緒に考えていきましょう。
次の、相続や遺言に関する設問は、正しいか間違っているかを答えてください。
【設問】
AB夫婦の子Cは、これまでひとりっ子として育てられてきた。先日、父Aが亡くなり相続手続きのために戸籍を調べたところ、実は自分には弟Dがおり、生後間もなく伯父夫婦の養子となっていたことが分かった。このような場合、Dは父Aの相続人ではないため、BCはDの関与なくして相続手続きを進めることができる。
さて、設問の記述は正しいでしょうか?それとも間違っているでしょうか?
まず、相続手続きを開始するにあたっては、誰が相続人になりうるのか、そして遺言等がない場合には各相続人には法律上どのくらいの割合の相続分が認められるかが問題となります。(1)法律上の配偶者は、必ず相続人となりますし、(2)子は第一順位の相続人として、両親が離婚再婚をしても、また、養子縁組をしたとしても(特別養子縁組を除く)、相続人としての地位は失われることはありません。そして、(3)子がいない場合には、直系尊属(両親のこと)、または兄弟姉妹が相続人となる場合があります。これを前提に本問を検討してみますと、(1)AB夫婦の子Cは、これまでひとりっ子として育てられてきたが、(2)Cには弟Dがおり、生後間もなく伯父夫婦の養子となっていることから、(3)たとえ、養子縁組をしていたとしてもDは父Aの子であり続けるため、相続人であると言えます。したがって、Dが相続人である以上、BCはDの関与なくして相続手続きを進めることはできないことになります。
以上より、本問は誤りと判断できるでしょう。
【相続の基礎知識Ⅰ ~ 相続人と法定相続分 ~】
相続手続を始めるにあたっては、誰が相続人となるのか、そして被相続人が遺言等を残していない場合には、各相続人の法定相続分がどれくらいになるのかを確定しなければなりません。ここで間違えてしまうと、相続手続はいつまでたっても完了せず、最悪の場合には始めからすべてやり直しなどということにもなりかねません。どこかで誰かにいた知識や、自分で調べた不確実な知識を鵜呑みにすることなく、専門家に相談されることをお勧めします。
相続人と法定相続分がこれで間違いないのか、念のために確認してほしい。いますぐまちなかステーションに相談する
番組出演の感想
今回のテーマは『相続の基礎知識Ⅰ ~ 相続人と法定相続分 ~』でしたが、最近では若い方々の間では離婚・再婚経験のある方も珍しくなくなってきましたし、他方で被相続人の高齢化も進んでおり養子縁組や大勢いたご兄弟が何人かなくなっているという方も珍しくなく、相続人が誰かを判断することが難しい場合もしばしば見受けられます。どこかで誰かに聞いた曖昧な知識や情報で相続手続が必要以上に遅延してしまうことのないように、ぜひ早めに私たち法律専門職に相談されることを強くお勧めします。
これからも、相続まちなかステーション 代表 加藤俊光は、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、山田博康さん、そしてお聴きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。