相続の専門家 『平塚駅前|相続まちなかステーション』 代表の加藤俊光が雑誌に掲載されました
今年もあと10日を残すこととなった午後でした
12月も下旬となり、いよいよ今年も残すところ10日余りとなりました。相続まちなかステーションのある神奈川・平塚の駅前も、夜になるとクリスマスのイルミネーションを楽しめるようになりましたが、同時に今年もいよいよ押し迫ってきたことを実感させられます。そんな、12月20日(木)の昼下がりにFM湘南ナパサ『ナパサタイムス☆アフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。
番組の内容 今年一年を振り返って ~ 今後増えることが予想される相談 ~
2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で90回目の出演となりました。今月は、今年一年を振り返りながら相続まちなかステーションに実際に寄せられた相談事例を少し改題しつつ、来年以降に増えそうな相談を探っていきたいと思います。
まずは、今月もテーマに関わる出題をしますので皆さんも一緒に考えていきましょう。
次の、相続や遺言に関する設問は、正しいか間違っているかを答えてください。
【設問】
昨年末に父が亡くなり、父の遺産について遺産分割協議が成立しました。兄が不動産の全部を相続し、その代償として300万円ずつを支払うという内容です。ところが、1年近くたった今でも兄は一向にお金を支払ってくれません。この場合、他の相続人は遺産分割協議を取り消すことができる。
さて、設問の記述は正しいでしょうか?それとも間違っているでしょうか?
まず、(1)一般の契約であれば、契約当事者の一方が契約で定めた義務を履行しない場合には、相当期間を定めたうえで催告のうえ解除できる場合が多いのですが、遺産分割協議の場合には協議成立とともに個々の財産の行き先を決める分割そのものも同時に終了すると考えられるため、遺産分割協議の取消や解除は認められないと考えらます。そして、(2)分割協議で定めた義務が履行されない場合には当事者間で解決を図るべきであり、本問のようなケースでは裁判所への調停申し立てや訴訟の提起によって300万円を取り立てるしかないと考えられます。
以上より、本問は誤りと判断できるでしょう。
【今年一年を振り返って ~ 今後増えることが予想される相談 ~】
今年は、40年ぶりに相続に関する法律が大改正されました。来年以降、順次施行されていく予定で、すでにあちこちで改正相続法に関するセミナー等が行われていますが、そのほとんどが小手先の断片的な相続対策の域を出ないもので、人間関係を壊さずに速やかに円満に相続手続を終えるための準備をテーマにしたものはほとんどないように感じています。
特に、自筆証書遺言の方式に関する要件の緩和や、いわゆる長男の嫁にも相続権が認められる、これで鬼に金棒かのような解説をしている専門職もいるようですが、これまで開業以来8年間相続に携わってきた私には今回の相続法改正が相続トラブルを予防・解消できるとはとても思えない不完全な代物だと思っています。今回の相続法改正のどこがダメなのか、そして私たちはどのような対策をすべきなのかについて、来年以降シリーズを立てて番組で取り上げていきたいと思っていますので、どうぞご期待ください。
相続法改正のどこがダメなのか知りたい! 加藤俊光が相続法改正を斬るをもっと読む
番組出演の感想
今回のテーマは『今年一年を振り返って ~ 今後増えることが予想される相談 ~』でしたが、私が開業した8年前と比べて一般の市民の皆さんの間で起こる相続トラブルは年々複雑化・難化してきていると感じています。ひとりでも多くの方が他人ごとと思わずに自分にも起こりうることであるという認識を持っていただくとともに、万一相続トラブルになってしまった場合には是非とも早めに私たち法律専門職に相談していただけることを願っております。
来年も、相続まちなかステーション 代表 加藤俊光は、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、山田博康さん、そしてお聴きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。