相続の専門家 『平塚駅前|相続まちなかステーション』 代表の加藤俊光が朝日新聞に掲載されました
春が待ち遠しい昼下がりでした
3月も後半に入りましたが、相続まちなかステーションのある神奈川・平塚では、春が待ち遠しくなるような寒い日が続いています。そんな、3月16日(木)の昼下がりにFM湘南ナパサ『ナパサタイムス☆アフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。
番組の内容 相続におけるケーススタディ 3 ~ おひとりさまの相続で注意したい3つのこと?! ~
2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で69回目の出演となりました。先月に引き続き今月も、相続まちなかステーションに実際に寄せられた相談事例をもとに誰にでも起こりうる身近なテーマを題材にケーススタディをしていきたいと思います。
生涯未婚率(50歳までに一度も結婚を経験しない方の割合)が男性で24パーセント(およそ5人にひとり)、女性でも14パーセント(およそ7人にひとり)と言われています。そして、これらの数値には離婚された方や死別された方は含まれておらず、実際の数値はもっと上昇すると思われ、もはや誰にとっても他人事では片付けられない問題のひとつと言ってもいいのかもしれません。まずは、今月もテーマに関わる出題をしますので皆さんも一緒に考えてみてください。
次の、相続や遺言に関する設問は、正しいか間違っているかを答えてください。
【設問】
3人きょうだいの末っ子として生まれたAは、生涯一度も結婚をせず、また子を持つこともなく先日交通事故で死亡した。Aの両親も、二人のきょうだいも、全員がAよりも前に亡くなっている。このような場合においては、Aにはもはや相続人は誰もいないと考えてよい。
さて、設問の記述は正しいでしょうか?それとも間違っているでしょうか?
まず、(1)相続開始時に配偶者であった者は、必ず法定相続人になります。そして、(2)法定相続人には順位があり、第一順位として子、第二順位として父母等の直系尊属、第三順位として兄弟姉妹がそれぞれ規定されており、先順位にひとりも相続人がいない場合に限り次順位の相続人が法定相続人となります。これらをもとに本問について検討してみますと、Aは一度も結婚をしていない以上配偶者はいないことになりますし、子もいないのですから第一順位の法定相続人はいないと考えてよいでしょう。また、両親がすでに亡くなっているということですから、祖父母等もすでに亡くなっていれば第二順位の相続人もいないことになります。さらに、二人のきょうだいもすでに亡くなっているということですので第三順位の相続人もおらず、Aにはもはや相続人は誰もいないと考えがちですが、二人のきょうだいに子がいた場合(Aから見ると甥や姪にあたります)、これらの者が代襲してAの相続人になることに注意が必要です。本問では、きょうだいの子(甥や姪)の有無および生死まで検討せずにAには相続人がいないと判断しまっておりやや早計といえます。
以上より、本問は誤りと判断できるでしょう。
【相続におけるケーススタディ 3 ~ おひとりさまの相続で注意したい3つのこと?! ~】
現代ではライフスタイルの多様化や晩婚化に伴い、生涯未婚率も年々上昇しています。 しかしながら、おひとりさまと言わる方々において相続発生時にどのようなトラブルが起こりうるかまで思いを巡らせることのできる方は、残念ながらまだまだそれほど多いとは言えないのが現状です。事実、そのような事情の下で相続が発生した場合には、予想外の手間や時間がかかってしまう例が多く見受けられます。決して他人事とは思わずに、今からできることがあるということを知っていただきたいと思います。
離婚・再婚経験がある場合における相続の注意点
1 相続人を正しく把握しましょう
→会ったことすらない人など、思わぬ人が相続人になることがあります
2 兄弟姉妹やその子どもたちとの関係を冷静に見つめなおしてみましょう
→疎遠になっていないか、連絡先などは把握できているか
3 時間や手間を避けるためにも、きちんとした遺言書を作成し信頼できる専門家に保管を依頼
しましょう
番組出演の感想
今回のテーマは『相続におけるケーススタディ 3 ~ おひとりさまの相続で気を付けたい3つのこと?! ~』でしたが、おひとりさまと言われる単身世帯が急増しており、早急な対策が必要ではないかと日頃から感じ取っておりました。そこで、ひとりでも多くの方が正しい認識を持っていただくとともに、判断に迷った時には私たち法律専門職に対しても相談することの必要性についても理解していただくきっかけをご提供できたとすれば何よりであると感じました。
これからも、相続まちなかステーション 代表 加藤俊光は、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、山田博康さん、そしてお聴きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。