身寄りのない高齢者は誰にも看取られない?! 公正証書と法律専門職があなたをお見送りします!
先日、89歳になられた男性の遺言書・尊厳死宣言書・死後事務委任契約書の作成を無事に終了することができました。
今春、身寄りのない高齢者の方がご自宅で最期を迎えることを望んでおられるのだが、何とか実現する方法はないだろうかという社会福祉協議会のご担当者からのご相談がそもそものきっかけでした。
そして、彼に実際にお会いしてみたところ、(1)自分は生涯独身で気ままに暮らしてきたので、今ごろになって疎遠になった親類に迷惑をかけたくないし、(2)幸い大きな病気をすることもなくこの歳まで元気に暮らすことができたので、今後も不要な延命措置等は取らずに自然な最期を迎えたいと仰いました。とても優しい笑顔でしたが、心の奥底に固い決意をお持ちのように感じられたのが印象的でした。
そこで、私は遺言書・尊厳死宣言書・死後事務委任契約書を作成することをお勧めしました。公証人やかかりつけの医師、担当ケアマネジャーのご協力を仰ぎながら、この方のご要望をもれなく実現するために何度も確認・調整をしながら何とかすべての項目を公正証書に盛り込むことができました。
公正証書が完成したそのときには、『ひとりで死んでいくのは本当に不安でしたが、これで本当に安心しました。これからもよろしくお願いします。』と涙ながらに喜んでいただくことができました。こちらこそこの方のお手伝いをさせていただいてよかったと心から感動するとともに、私が責任をもってあなたの最期を看取らせていただきますと改めて身が引き締まる思いがした瞬間でした。
ここ数年、住み慣れた自宅で最期を迎えたいというご要望をもつ身寄りのない高齢者が増えているようです。しかし、人は自分ひとりだけでは死ぬことはできません。葬儀や死後の事務処理などは、この世に生存する誰かの手を煩わせなければならないのです。だから、これらのことを誰かにやってもらうことは決して迷惑なことではありません。もしも迷惑になってしまうとしたら、それはあなたが生前に何らの配慮もなく事前の準備もしないことで、残された人々があなたの意思や要望が分からずに戸惑ってしまうことではないでしょうか。
住み慣れた自宅で最期を迎えたい! 医療・福祉の専門職の方、社協職員の方や民生委員さんからのご相談にも対応実績のあるまちなかステーションに相談する
一般的には迷惑だと思われがちなことでも、あなたのちょっとした配慮と事前の準備によって、周囲の人たちがあなたの要望を実現するために真心と愛情のこもった温かい看取り・お見送りに変えることができるはずであり、たったひとりさびしくこの世を去ることなどさせないと私は確信しています。
だからこそ、これからも私は住み慣れた自宅で最期を迎えたいという高齢者の想いと願いが理解できる法律専門職として、ひとりでも多くの方に遺言書・尊厳死宣言書・死後事務委任契約書のご提案をし続けていきます。