桜の季節に想う ~ どんな寿命にも永遠はない ~
春は別れの季節と言われます。この春も、多くの方が期待と不安を胸に秘めつつ進学や就職をはじめとした新生活をスタートされることと存じますが、希望と感謝の気持ちを忘れることなく新しい世界へ力強く羽ばたいてくれることを願うばかりです。
もっとも、そんな新生活を始められる皆さんを拝見していると、少しばかりうらやましく思うこともまた事実です。私自身は、すでに結婚して家庭を持ち仕事面でも相続・遺言の専門家として独立開業していることから、おそらく新生活を始める春というのはこれから先も縁がないことかもしれません。もちろん、今の生活や仕事には充分満足しているのですが、新しい世界に羽ばたくことの出来る皆さんをうらやましく思ってしまうのは私ひとりではないと捉えています。
そんな、新生活を始める人たちをうらやましく思う方にこそ、この春に『ご自分の人生の棚卸=終活』を始めてみることをお勧めいたします。
どんな人でもそれぞれの人生はかけがえのない価値があるものです。幸せかどうかは他人の人生と比較したところで何の意味もありません。自分自身で選択し、自分で歩いてきたありのままの人生を受け入れることこそが、明日を生きる命の源になっているのではないでしょうか。
そして、ありのままの人生を受け入れることができたら、今度は自分自身の未来に思いめぐらせてみましょう。あなたが受け入れるか否かに関わらず、いつかはこの世にお別れをしなければならない時間が誰にでも必ずやってきます。
もしも、予期しないタイミングで突然その時が訪れたら、あなたは本当に後悔しないと言い切れますか。大切な人に感謝の気持ちを伝えられていますか。自分自身の胸に秘めた想いや希望は、あなたがこの世を去った後であなたの大切な人たちにきちんと伝わるようになっていますか。あなたの生きたかけがえのない人生の証を、ぜひ目に見える形であなたの大切な人へ残してあげてください。
そのためには、あなたの希望と感謝の気持ちを実際に書いてみることが必要です。具体的には、①自分自身がこの世を去った後にどのようにしてほしいのかという希望とともに、②あなたの希望をかなえるために中心となってくれる人への感謝の気持ちの2つの視点を忘れないようにしてください。その手段のひとつとして、遺言書でもエンディングノートでも構いません。ご自身にとって抵抗が少なく入りやすいものから、私と一緒に書き始めてみましょう。
これからも私は、この街に生きる人々の想いと願いが理解できる法律専門職として、ひとりでも多くの方に『ご自分の人生の棚卸=終活』のご提案をし続けていきます。