桜の季節に想う ~ どんな寿命にも永遠はない ~
今年の秋は、これまでに経験したことのない大型の台風がいくつも日本に接近し、多数の被害に見舞われてしまいました。原因がどこにあるのかは意見が分かれるところかもしれませんが、被害にあわれた方には心よりお見舞いを申し上げるとともに迅速な復旧を願うばかりです。
ある報道番組の中で、防災の専門家が『台風は、ある程度事前に備えることができる災害である』と仰っていました。地震などとは異なり、いつごろ来るのかがある程度分かるということや、家の周りを片付けたり不要不急な外出を避けるなど、個人レベルのちょっとした心掛けでも被害を最小限に食い止めることができるという意味合いで仰ったのだと理解しています。
なるほどと思った方に対して、もうひとつの防災用品としてぜひともお勧めしたいものがあります。それは、いつかあなたがこの世を去った後で、あなたの大切なご家族を不毛で醜い災難から未然に防ぐことができる優れものです。
人が亡くなると、必ずその瞬間に相続が発生します。そして、遺言がなければ法定相続が原則となり、相続人全員によって誰が何を相続するかの話し合い、いわゆる遺産分割協議をしなければならないことになっており、残念なことにこの過程を避けることの出来る方はひとりもいないのです。
しかし、当事者だけでこの話し合いを冷静に進めることができる方は少なくなる一方であり、ここ数年で家庭裁判所に対する遺産分割調停の申立件数は1万件を超えるようになっています。しかも、その大半は相続財産と言っても土地・建物とわずかな預金だけというケースであり、遺産総額も2000万円以下だそうです。ある程度まとまった財産を目の前にして、複雑に絡み合うこれまでの経緯や感情問題を合わせると、このような醜い不毛な相続トラブルはもはやどこの家で起こっても不思議ではない話であり、まさに『災難』と言ってもいいのではないでしょうか。
確かに、ご自分が亡くなった後において、どんなトラブルが起こるのか、あるいはそもそもトラブルなど起こるのかはその時になってみなければわからない、と言ってしまえばそれはその通りかもしれません。しかし、人が亡くなれば相続は必ず発生します。どんな人でも相続を避けることはできないのです。そして、相続にトラブルとなるリスクがある以上は、リスクを理解して事前に対策を講じておくことは十分意味があることですし、またご家族に対しても責任ある対応ではないでしょうか。台風が、個人のちょっとした心掛けで被害を最小限に食い止めることができるのと同じように、相続トラブルもあなたがきちんとした遺言書を書くことでほぼ回避できると断言できます。遺言について真剣に考えようと思われる方は、一度ご相談にいらしてみてください。私の遺言書をお見せしながら、あなたに合った遺言書をご提案させていただきます。
これからも私は、遺言者の想いと家族の願いが理解できる法律専門職として、ひとりでも多くの方に『残された家族が争わないための想いを伝える遺言書』のご提案をし続けていきます。