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加藤俊光プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

『相続対策はまず脱完璧主義から』 ~相続トラブルはこうすれば防止できます~

加藤俊光

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テーマ:円満解決の極意【相続相談の現場から】

 今月も無事に『相続・遺言に関する無料相談会』を終えることができました。午後からは雨となってしまいましたが、ご予約いただいた皆様においでいただいたことにお礼申し上げます。

 今回は特に遺言に関心をお持ちの方が多くいらっしゃいました。私も昨今の『遺言ブーム』を実感した一日となりました。

 もっとも、遺言に関心のある方もいざ本当に遺言書を作成するとなるとどうしても迷いや戸惑いが起こるのは無理のないことです。しかし、一方で一般の方の相続や遺言に関する知識や理解には思いのほか誤解が多いのも事実です。ほんの一例ですが、これまで当事務所にご相談にいらっしゃた方が実際に仰ったことをご紹介します。

 ①一度遺言書を作ってしまうと、修正したり取り消したりすることはできない。
 ②遺言書に記載した不動産は処分できない。また、預金なども引き出すことができなくなる。

 これらはすべて誤りです。まず、①遺言書は何度でも修正できますし、もちろんすべてをなかったものにすること(撤回)もできます。また、②遺言書に記載した財産は、その後いつでも自由に使用し処分することができます。そして、これらをするにあたっては、相続人になる人々の承諾などは一切必要ありません。遺言者の意思のみで自由にすることができます。

 そして、私は相続・遺言のプロとして、遺言書を書くときだけは『完璧主義』から脱出されることをお勧めしています。なぜなら、これからの人生に起こりうるあらゆる事柄をすべて想定して遺言書を作成するのは現実的に不可能だからです。時々、『こういう時はこうする』、『ああいうときはああする』と膨大な量の仮定に対する対応を要望される方がおられます。しかし、これらすべてを遺言書に盛り込もうとすると、相互に混乱や矛盾が生じてしまい、結局今はまだ作らずもう少ししてから作ろうということになりがちです。

 一回で完璧な遺言書を作ろうとすると大半の人は混乱してしまうものです。むしろ、人生はいつどこでどうなるかわからないものであり、だからこそとりあえず今現在において最良の内容を織り込んでおいて、もし今後大きく事情が変わった場合や、そうでなくとも5年ないし10年くらい経過したら内容を見直して、補足・修正をすればいいんだとある意味大胆に割り切って考えることが大切だと思っています。

 これからも、私は予防法務の専門家として一般市民の方々の誤解や不安を解きほぐして適切な助言をしていくことを自らの責務であると認識し、ひとりでも多くの方に『争わないための遺言書』をご提案し続けていきます。

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加藤俊光
専門家

加藤俊光(行政書士)

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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