リビングウィルをご存知ですか? ~ あなたが望む素晴らしい旅立ちのために ~
今年で64回目を迎えた5月3日の憲法記念日に、私は初めて事務所のある神奈川の平塚駅北口で行われた『憲法9条を守る宣伝行動・署名活動』に『ひらつか・9条の会』の事務局メンバーとして参加してきました。そんなわが憲法は、先の大戦の反省の中で武力や戦争では決して国際紛争を解決し平和を実現することはできないことを確信し、戦力や軍事力による解決ではなく対話によって解決を図るというあえて困難かつ不自由な道を選んだと理解しています。
ここ数か月の間に大震災の救援活動における米軍や自衛隊の底力や実績が大きく取り上げられています。私も国民のひとりとして本当に頭が下がる思いです。しかし、私が彼らに感謝をしているのは『救援や復興活動』に対してであり、決して『日頃から戦争の訓練をしていること』に対してではありません。このような非常事態ともいえる困難な状況であればなおさらのこと、感情に流されることなく冷静に憲法の原点に立ち返り、国民ひとりひとりが日米安保や自衛隊のあり方について原理原則を踏まえつつ熟慮しなければならないと考える次第です。
困難な状況に直面したときこそ原点に立ち返ってもう一度原理原則は何かを考えるべきであるのは、実は遺産分割協議の場面でもまったく同じです。相続が開始すれば、相続人は自分と被相続人とのこれまでの経緯や事情を価値基準として財産の分配を考えます。そこでは、残念ながら譲り合いよりも権利の主張が先行して感情的な対立となってしまうことが多々あります。この『対立する感情の調整』が遺産分割協議の中で最も大きなウエイトを占めており、かつ最も大変な作業であるのが現実です。そんなとき、私は『遺言がなければ法定相続が原則であり、遺産分割協議に応じるかどうかは各相続人の自由である。しかし、裁判所での調停や訴訟という道を取らずに当事者の話し合いで円満に解決する道を選ぶ以上は、相続人全員が少しずつ不満を引き受ける覚悟が必要であることを理解してもらわなければならない』という原理原則に立ち返ることにしています。なかなか困難なことですが、私は神奈川でもまだめずらしい当事者の話し合いで円満に相続問題を解決する専門家として、誇りと忍耐と信念を持って相続人の皆さんに理解を求め、解決策を模索・助言しています。
これからも、ひとりでも多くの方に『争わないための遺言書』をご提案し続けていきます。