マイホームの頭金は1〜2割が相場?少ない場合に確認すべき3つの視点

高橋徹夫

高橋徹夫


マイホームの頭金は、いくら用意すればよいのか?住宅購入を考えるとき、多くの方が抱く疑問がこれです。頭金が少なくても早くマイホームを手に入れたいと考える方もいれば、しっかり貯めてから安心して購入したいと考える方もいます。どちらの考え方も間違いではありません。

ただし、自己資金や手付金との違い、そして頭金が住宅ローンの毎月返済額や総返済額に与える影響を理解しないまま話が進んでしまうと、購入後になって家計を圧迫してしまうことがあります。

当社でもご相談に来られる方に対して、物件をご案内するよりも先に、この部分の整理から始めるケースは少なくありません。

頭金・自己資金・手付金は役割が違います

頭金とは、住宅価格のうち住宅ローンを使わずに自己資金で支払う部分のことです。これに対して自己資金は、頭金に加えて購入諸費用や引越し費用まで含む、マイホーム購入に充てる手持ち資金全体を指します。

手付金は、売買契約を結ぶときに売主へ支払うお金で、のちに売買代金の一部や頭金の一部に充当されるのが一般的です。金額や取り扱いは、売買契約書で定められます。

支払うタイミングも違います。手付金は売買契約時、頭金は住宅ローンの融資が実行される引き渡し時までに準備するのが通常の流れです。自己資金全体としては、申込金や契約書に貼る印紙代、引越し費用、家具や照明の購入費まで、購入プロセス全体を通して段階的に出ていきます。

当社が最初のご相談の場で、物件価格以外にかかる登記費用・仲介手数料・ローン保証料・火災保険・引越し費用まですべて明示しているのは、この区別があいまいなままだと「物件価格以外にこんなにかかるとは知らなかった」という後悔が生まれるからです。情報を出し惜しみしないことで防げる後悔が、確かにあります。

頭金の相場は1〜2割、正解は一つではありません

では、実際にいくらが目安になるのでしょうか。
金融経済教育推進機構の住宅ローン教材では、頭金を物件価格の20%前後、諸費用を3〜7%程度とし、自己資金全体としては物件価格の30%前後を用意できると安心とされています。物件価格3,000万円なら、頭金1割で300万円、2割で600万円。諸費用まで含めた自己資金は、おおよそ500〜900万円という水準になります。

一方で、実際のデータはもう少し現実的な姿を映しています。建売住宅を購入した方の全国平均は、購入価格3,826.1万円に対して手持金322.8万円でした(出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」2024年度実績・2025年7月発表)。割合にすると1割に届きません。

つまり「2割が理想」と「1割前後が実態」が同時に存在しているのが、いまの住宅取得の姿です。

ここで、私の立場をはっきり書いておきます。頭金は多いほど良い、という説明をよく耳にしますが、私は、手元の生活資金や緊急予備資金を削ってまで頭金を厚くすることはお勧めしていません。頭金を増やした結果、教育資金や老後資金が不足してしまっては本末転倒だからです。

以前、20代でご相談にいらした方は「まだ若いし、賃貸でいいかな」と思っていたそうです。今の家賃と、購入した場合のローン返済額を並べてお見せしたところ、初めて具体的に実感していただけました。頭金が少なくても進められる方法をお伝えし、その後、相模原市で念願のマイホームを取得されています。

頭金ゼロで買うときに必ず確認すること

とはいえ、頭金を抑えて購入するなら、確認しておきたいことがあります。

一つめは担保割れです。頭金ゼロや少なめで購入すると借入額が大きくなり、購入後に住宅価格が下落した場合、ローン残高が物件価格を上回る状態になりやすくなります。この状態で売却すると、売却代金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金で補う必要が出てきます。

二つめは返済比率です。毎月の返済額が年収の3割以内に収まっているかどうかは、私が必ず確認する数字のひとつです。

三つめが金利タイプです。住宅ローンには全期間固定金利型、固定期間選択型、変動金利型があり、金利変動リスクの大きさがそれぞれ異なります。借入額が大きく頭金が少ない場合に変動金利型を選ぶと、将来の金利上昇による返済額の増加が、家計に一段と重くのしかかります。

ですから私は、頭金が少ない方ほど固定金利の割合を高める検討をおすすめしています。手元資金に余裕がある方であれば、話は変わります。分かれ目は、金利が上がったときに耐えられる家計の余白がどれだけあるか、です。

以前、「毎月の住宅ローンを本当に払っていけるのか不安」とご相談にいらした30代のご夫婦がいらっしゃいました。給与や賞与だけでなく、教育費や老後資金まで含めたキャッシュフロー表を作成し、この条件なら65歳時点でどれだけの金融資産が残る見込みかまで具体的にお見せしたところ、不安が安心に変わったとおっしゃっていただけました。数字にして並べると、迷いは減ります。

借入額そのものの考え方については、年収倍率と返済負担率の観点から別のコラムでも整理していますので、あわせてご覧ください(https://mbp-japan.com/kanagawa/onefinitas/column/5229730/)。

借入額から逆算する、資金計画の立て方

住まい選びでは、不動産会社から「物件はこちらをお勧めします」、銀行から「住宅ローンはこの商品です」、保険会社から「保障はこちらに変えませんか」と言われる。それぞれが正しいのに、組み合わせると本当にこれで良いのかが見えない。私のもとへいらっしゃる方の多くが、この「ばらばらの正解」の間で迷ってこられます。

ですから、頭金の額だけを単独で議論しても答えは出ません。物件価格・住宅ローン・住宅ローン控除・保険の見直し・将来の資産形成までを、ひとつのキャッシュフローの中で組み立てる。そこで初めて、ご家族にとって納得感のある頭金額が見えてきます。

私は宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士といった不動産系資格に加え、AFPを保有しています。AFPとは、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が認定するFP資格のことです。当社にはファイナンシャルプランナー・プライベートバンカー・IFAも在籍し、司法書士・税理士ともチームを組んでいます。

近年では物価高の影響で、住まいの取得に不安を抱える方からのご相談は増えています。行政での相談対応に関わってきた経験からも、「もう少し早く情報が届いていれば」と感じる場面は本当に多いです。だからこそ、購入の判断を急がせる前に、ご家族の家計と将来設計を一緒に整理することを大切にしています。

そして、引き渡しはゴールではありません。住宅ローンの借り換え、将来の売却、資産運用のご相談まで、長くお付き合いを続けています。神奈川エリアでの累計取扱い件数は250件を超え、ご成約後のお客様の80%以上が次の方をご紹介くださっています。

まとめ

マイホームの頭金に、唯一の正解はありません。それでも、ご家族の家計とライフプランに合った金額は必ず見つかります。数字にして並べてみれば、迷いは減っていくと私は思っています。

・借入額が大きく、頭金を十分に用意できるか不安な方
・頭金と諸費用を合わせて、総額でいくら必要か知りたい方
・購入時期を待つべきか、今動くべきか迷っている方


まずはお気軽にご相談ください(https://onefinitas-estate.jp/contact/)。

当社では、月にお受けできる件数をあえて絞り、代表である私が最初から最後まで直接担当しています。だからこそ、頭金や資金計画のご相談に、十分な時間をかけられます。

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高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

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