注文住宅を選ぶ前に知りたい、価格・スケジュール・手続きの基本

高橋徹夫

高橋徹夫


「土地から探して、自分たちの好きな間取りで家を建てたい」。注文住宅を検討し始める方の多くが、最初にそう考えます。同時に必ず突き当たるのが、「建売と比べてどれくらい費用が変わるのかが分からない」という疑問です。

私は不動産業界に18年以上おり、会社員として8年、独立してから10年、神奈川の現場で新築戸建・リノベーション物件・売買・売却まで一件一件に向き合ってきました。その中で感じているのは、注文住宅か建売かという問いは、実は「どちらが良いか」ではなく「自分たちの暮らしと家計のどこを優先するか」を決める作業だということです。

この記事では、価格の違いだけでなく、ライフプランに合わせた判断の仕方、入居までのスケジュール、契約時に気をつけたい手続きまで、注文住宅を選ぶうえで押さえておきたい観点を整理していきます。

自由度とコストは必ずセットで動く

注文住宅は自由度が高いため、つい設備のグレードを上げてしまい、それが価格を押し上げていると考える方は少なくありません。しかし実際には、価格が上がる理由はグレード選びよりも別のところにあることのほうが多いものです。

注文住宅は土地取得と建物建築が別々に動くため、土地の造成費、地盤改良費、外構工事費、そして設計変更のたびに発生する追加費用が、それぞれ独立して積み上がっていきます。すでに完成した状態で価格が示される建売住宅とは違い、総額が最後まで見えにくいまま進んでいく。この「見えやすさの差」が、実際の負担感の差として表れます。

国土交通省の住宅市場動向調査でも、注文住宅は希望どおりにしやすい一方で価格が高くなりやすい傾向が示されており、多くの世帯が価格面で妥協した結果が報告されています(出典:国土交通省 令和6年度住宅市場動向調査、2025年6月発表)。

私が最初の相談の場で諸費用のすべてを明示しているのは、まさにこの部分でつまずく方が多いからです。登記費用、仲介手数料、ローン保証料、火災保険、引越し費用まで、最初から総額で考える。「物件価格以外にこんなにかかるとは聞いていなかった」という後悔は、情報を出し惜しみすることから生まれます。

将来のライフプランまで見通して判断する

「今の家族構成で考えると4LDKですよね」。そうおっしゃる方に、私は必ず10年後、20年後の話を伺うようにしています。

注文住宅が自分たちの暮らしに合うかどうかを考えるには、現在の家族構成だけでなく、将来のライフプランまで見通すことが重要です。ローンの組み方、万が一に備える保障設計、保険のオプション、返済期間。これらはその方の家族構成・収入・将来設計によってまったく異なります。

同じ条件の方に同じ提案をする、いわゆるマニュアル通りの対応では、実は失敗している方が少なくありません。「その人その人で買うべきものが違う」という考えを、私は徹底しています。

以前、毎月の住宅ローンが本当に払っていけるのか不安だとご相談に来られた30代のご夫婦がいらっしゃいました。給与・賞与だけでなく教育費や老後資金まで含めたキャッシュフロー表を作成し、住宅ローンを組んだ場合の資金推移をシミュレーションしたところ、「ここまでライフプランまで考えてくれる不動産会社は初めてです」と言っていただけました。

ライフプランシミュレーションとは、将来の収入と支出を年単位で見える化し、住宅取得後の家計がどう推移するかを事前に確認する作業のことです。注文住宅か建売かを決める前に、この土台を先につくっておくと、判断が驚くほど楽になります。

入居希望時期から逆算してスケジュールを組む

意外と見落とされがちなのが、時間のコストです。
注文住宅でマイホームを購入する場合、検討開始から入居までには一般的に約10〜15か月程度かかる傾向があります。この期間には、情報収集や資金計画づくりといった準備段階と、土地探しや契約、工事などの実務的な段階が含まれます。

契約後は、詳細な設計打ち合わせや地盤調査、各種申請を経て着工し、平均6〜8か月程度の工期を経て引き渡しとなるのが一般的です。天候や設計変更などで期間が延びることもあるため、入居希望時期から逆算して余裕を持ったスケジュールを組むことが重要になります。

そもそも不動産仲介における物件探しは、一般的に3カ月から半年程度、長い場合は1年以上かかることもあります。ここに建築期間が乗るわけですから、お子様の入学時期に合わせたいといったご事情がある方は、逆算が必須です。

私は数多くの物件をご案内する方法をとりません。案内数が多いほど迷われる方が増えるからです。本当に良い物件を逃してほしくないからこそ、ヒアリングを通じて本当に求めている条件を整理し、納得いただける物件に絞ってご提案する。結果として、比較的早い段階で方向性が定まるケースも多くあります。

重要事項説明は「聞いていなかった」を防ぐ場

契約直前の場面で、私がいちばん時間をかけているのがここです。

土地や建物に関する重要事項説明は、宅地建物取引業法に基づいて行われる大切な手続きであり、内容を理解したうえで署名押印することが求められます。書類や申請の有無をその都度確認しながら進めることで、後から「聞いていなかった」という行き違いを防ぎやすくなります。

重要事項説明とは、宅地建物取引士が契約前に、物件の権利関係・法令上の制限・インフラ状況・契約解除の条件などを書面で説明する法定の手続きのことです。

実際にあった話をひとつ。重要事項説明の準備を進める中で、他社では問題ないと説明されていた物件に、隣地との境界が未確定というリスクがあることに気づいたことがありました。この状態では将来トラブルになる可能性があるため、宅建士として状況をご説明し、境界確定が完了してから契約することをおすすめしました。

その後、境界問題が正式に解決してから改めて契約。「もしそのまま買っていたらと思うと怖い。あのとき教えてくれて本当に良かった」と感謝のお言葉をいただきました。

「よくわからないまま署名」は、私のところではさせません。気に入らなければ遠慮なく断っていただいて構いませんし、内覧の場でも契約直前でも、やめたいという気持ちは最優先です。成約させることがゴールではなく、後悔させないことが仕事だと思っています。

引き渡しの先まで含めて考える

注文住宅と建売住宅を比較するとき、多くの方が引き渡しの日をゴール地点に置いて計算されます。でも実際の家計への影響は、そこから始まります。

諸条件のご相談、物件選び、ローン設計、保険の選定、契約、引き渡し、確定申告。当社ではこれで終わりにせず、入居後の住宅ローンの借り換え相談、将来の売却相談、つみたてNISAをはじめとした資産運用の相談、賃貸として貸し出す際の相談まで対応しています。多くの会社は引き渡しがゴールですが、私は購入後の資産活用まで含めた一生涯のサポートを提供したいと考えています。

独立してから10年間、SUUMOなどのポータルサイトに一切頼らず、口コミとご紹介だけで歩んできました。住んでいただいたお客様の80%以上が次のお客様をご紹介くださっています。神奈川エリアでの累計取扱い件数は250件を超えました。

それができたのは、一人ひとりのお客様に時間を惜しまず向き合ってきたからだと思っています。月にお受けできる件数をあえて絞っているのも、流れ作業のような対応を絶対にしないためです。

注文住宅か建売住宅かで迷われている段階でしたら、まだ何も決まっていない状態でまったく構いません。横浜市旭区のワンフィニタス株式会社では、自由度・コスト・期間のバランスを一緒に整理いたします。詳しくは当社サイト(https://onefinitas-estate.jp)をご覧ください。

まとめ

注文住宅と建売住宅に優劣はありません。ご自身の暮らしと家計にとって、どこまでの自由度が必要かを見極められれば、マイホーム選びは必ず前に進むと私は思っています。

・注文住宅と建売住宅のどちらが自分たちに合うか迷っている方
・物件価格以外にいくらかかるのか、総額の見通しを立てたい方
・入居希望時期が決まっていて、逆算したスケジュールを知りたい方
・引き渡し後のローンや資産運用まで含めて相談したい方


お問い合わせはこちらから:https://onefinitas-estate.jp/contact/

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高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

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