モチベーションアップ術(30) 「ステーキを売るな、シズルを売れ」

小森剛

小森剛

ゴルフに限らず、自身のモチベーション(=やる気)は、物事の成果や継続する力に大きく影響します。このコラムではモチベーションを維持・向上させるためのポイントをお伝えしています。

タイトルの言葉は、エルマー・ホイラーという米国の経営アドバイザーの言葉で、「ホイラーの法則」(1937年著)というセールストーク指南書の中の一節です。

「シズル」とは、ステーキを焼くときのジュージューという音のことです。
この言葉は、セールスの際、商品そのものを売り込もうとするのではなく、その商品を購入または使用することによって得られるメリットをイメージさせて購買動機につなげよ、というものです。
ステーキ肉そのものをイメージするより、鉄板の上でジュージューと焼かれるステーキを想像する方が、より食べたく(買いたく)なるでしょう。
それだけイメージというものは、脳に強烈に訴えかけるものなのです。

このことは、モチベーションの維持・向上に応用できます。
モチベーションが低下してきたなと感じたら、目標を達成したときの姿を、できるだけ具体的に、かつ鮮明にイメージするようにしてください。

例えば、社内コンペで優勝し、パーティの席上で優勝者スピーチをしているシーン。「○○さんはゴルフが上手い」と社内で評判になり、上司や同僚から一目置かれ、バリバリ仕事をしているシーン。凄いドライバーショットを打ち、女子社員から憧れの眼差しで見られているシーン‥など。
女性なら、ご主人や彼氏との楽しいラウンドや、華やかなウェアに身を包み、フェアウェイを颯爽と歩いているシーンなどを想像するのもよいでしょう。

このように「なりたい自分」をイメージすることは大切です。しかも出来るだけ鮮明に、五感で感じるすべてをイメージ出来ると尚良いでしょう。

そして、これはゴルフに限らず、仕事や生活のすべてのシーンで応用できます。
ある役者さんが、「役者という職業は、自分がなりたいものになれる。だから辞められない‥」という趣旨のことを話していたのをテレビで観たことがあります。
役者さんは映画や舞台などで役を演じ、人に感動を与えています。人に感動を与え、人の心を豊かにする。皆さんは役者ではないと思いますが、世の中の誰かの役に立っているという意味では同じです。

目標を持ち、頑張ることは、世の中の誰かの役に立つ「役者」としての自分を磨くことです。そしてそのことは一生続きます。「なりたい自分」をイメージし、「なりたい自分」になるためのモチベーションを高め続けましょう。

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小森剛
専門家

小森剛(スポーツインストラクター)

有限会社ゴルフハウス湘南

一般ゴルファーへのレッスンのみならず、ゴルフ指導者への指導やゴルフスクール経営支援、セミナーでの講演やゴルフ雑誌への連載執筆など幅広く活躍。またゴルフ以外のスポーツ選手のコンディショニング指導も行う。

小森剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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