共依存のカウンセリングその4 「頭ではわかっているのにやめられない」
新型コロナウイルス関連のニュースによる先行きの不安、街の様子の変貌などを目の当たりにして、気分がざわついたり、落ち着かない日々が続きます。
今回は、こうした、じわじわと長期に渡る連続的なストレスへの対処方法のひとつを書きます。
ひとつの明確なストレスと異なり、長期に渡る連続的なストレスへの影響は、私たちが表面的に感じていることよりも、複雑に心身に負荷がかかるものです。
胃腸の不快、首や肩のコリなどの身体症状で表出したり、急な怒りや、解消行動への衝動、はんたいに落ち込み、無気力などの感情が起こるかもしれません。
ひとつの明確なストレスへの対処は、それを特定して解消する行動、いわゆる、ストレス発散などが有効ですね。これは、ストレス反応への自然な「闘争、逃避」反応で交感神経系を優位にする反応です。しかしながら、連続的なストレスには、例えば、飲んで騒いでも、なかなか解消しませんね。
臨床心理学的な視点から、長期に渡る連続的なストレス、外出自粛ストレスへの対処には「関係性の見直し」癒やし行動を提案します。これは、ストレスへの高度な反応で、社会的関与システム、副交感神経系が優位となる行動です。
例えば、外出できないのを嘆く代わりに、以下のような「関係性を見直す」ことに時間を使ってみることです。
・夫婦でゆっくりお茶を入れてみる。料理を作ってみる。映画を見る。
・家族でボードゲームをする。
・友人に手紙を書いてみる
・古いアルバムを整理してみる。
・自分のケアをしてみる。(自分との関係性の見直し)
連続的なストレスの解消には、関係性を見直してみることで癒やしの時間を、味わってみたりと、忙しい普段はできないことを楽しんでみることをおすすめします。
夫(妻)とずっといるとイライラする!離婚が増える。などのニュースに惑わされずに、「関係性」を味わったり、メンテナンスする時間と切り替えて楽しまれることをおすすめいたします。
近くに親密な他者がいない場合は、自分との関係性を見なおします。ケアしたり、過去の自分をねぎらう手紙を書いたり、と。
私たちは、(個人的な)苦しみを他者に理解されない時に苦しみを感じるものです。親密な誰かと関係を見直すことで、「つながり」「絆」が生まれ、自分自身の存在に安心して居られるようになります。関係性で体験する癒やしを。
参考文献:ステファン・W・ポージェス著:花丘訳,ポリヴェーガル理論入門 心身に変革をおこす「安全」と「絆」春秋社