カウンセラー開業の意義 2/3 医療者の説明モデルから個別性・多様性の理解へ
ニュースを聞いて胸が痛くなります。
「大人が組織を守ることを優先していた」
「どこに相談したらよいかわからなかった」
「行政に電話したが、部署が違うとたらいまわしにされた」
「家族の問題を誰にも話せなかった」
日本ではまだまだ、カウンセラーに会いに行くのは、なにかとても困ったことがあるときのようなイメージがあるようです。カウンセリングをうけるというと家族や同僚、友人など周囲にネガテイブな印象を与えてしまうように思われている方がほとんどかもしれません。また、カウンセラーとは、難しい心理学を振り回し権威的で上から目線でとっつきにくく、「できないこと」を説教されるのではと思われている方もおおいかもしれません。
海外の映画などには、しばしばカウンセラーが登場するのを見かけます。欧米では,迷ったときや,将来のこと,こころと身体のマネジメントや,ビジネスの決断にホームカウンセラーを活用することがステイタスになってきているようです。カウンセラーとは,依頼者のさまざまな人生の局面の伴奏者として定着しているようです。
近年、公認心理師が国家資格となり、心理職、医療、教育など地域で専門領域をつなぎあわせて包括的に支援していこうという流れがうまれつつあります。でも、まだまだ、日本では、「カウンセリングに行く」は敷居が高く感じられたり、偏見があるのかもしれません。
開業カウンセラーは、医療、教育などの受け皿ではおさまりきれない、サブクリニカルな対象、心の健康への援助、
「頭ではわかっているけれどやめられない」などの依存症、うつ症状、不眠や身体の不調などの心身の関連、
「どうしたらよいかわからない」「不安」
「家族の問題、家族由来の心的外傷」「人間関係の問題を繰り返してしまう」
「怒りの爆発」強い悲しみなど感情の問題、境界例パーソナリティ、自己愛パーソナリティ
などトラウマへの治療など、メンタルヘルスケアの最前線にいる存在と確信しています。
しかしながら、開業カウンセラーは、後ろ盾や社会的地位などはなく、事業の運営に際する融資をうけることも難しい場合が少なくありません。また、資格を取得することはほんのスタートにしかならず、人間理解にはひとつの正解などなく、幅広く深く臨床理論やカウンセリングの姿勢や技術について日々研鑽を続ける必要があります。
この側面は心理臨床プログラムで学ぶ機会は少ないものです。心理臨床スーパービジョンと同様に、マーケティングを学ぶことは、より自身の専門領域に力を注ぐ機会を開きます。
さらに、開業カウンセラーは、経営者という側面もありますが、これらのスキルは心理臨床の領域で学ぶことは難しい分野です。これらは、とうていひとりでできるものではありませんね。
私は、開業カウンセラーの先人として、カウンセラーの開業を支援していきたいと思っています。
つづく。