「引きこもり」というコミュニケーション 3 家族内で包摂できない問題があるというメッセージ!
私たちは、知らず知らずのうちに、社会の理不尽に対して、大人の心的防衛機構をつかって対処しています。
大人の心的防衛機構とは、昇華:つらい状況を自分なりに克服し、人生の糧とする。例えば、子供時代、病に苦しんだ経験を生かして、医療者になる。ケンカや格闘に明け暮れていた子どもが、プロのボクサーや格闘家などになる。不遇な生育歴に悩み、取り組んだ末に、カウンセラーとなるなど。
その他の大人の心的防衛機構として、ユーモア、ストイズム、知性化などがあります。
子ども、あるいは思春期の心の状態には、毎日洪水のような刺激があります。
彼ら、彼女らは大人の防衛機構をまだ身につけていない状態にあります。または、ご両親などの養育者が大人の防衛機構を身についていないケースもあります。
そうしたときに、
彼ら彼女らは、原初的な防衛機構をつかわざるを得ないのです。
それらのおおくは、命や心身個体を守るためにつかわれます。
学校が安全でなければ、登校したくないというコミュニケーションは、自然な反応といえます。また、家の中が、緊張に満ちていれば、「学校に行っているあいだにとんでもないことが起こるかもしれないから、僕が守らなければいけない!」というコミュニケーションもすくなくありません。
このような、引きこもり当事者のコミュニケーションを、読み取り、彼らの肩の荷を理解し、その役割を解いてあげるよう試みるのが家族療法のアプローチです。
この場合、家族のシステム、かわされる言葉のパターン、に注目していきます。