資金繰り表は“試合の予告先発”。freeeで未来の展開を描く「家族経営の経理コーチング(夏休み特集⑤)」

「日繰り表はつけているけれど、活かしきれていない」そんな声をよく耳にします。実は、日繰り表は単なる記録ではなく、経営の状態を読み解く“財務分析ツール”にもなります。そのための第一歩が、今回お伝えするお金に色をつけるという考え方です。
目次
お金に「色」をつけるという発想
資金繰りが苦しくなる原因は、「お金が足りない」ことだけではありません。お金の“性質”を区別せずに使っていることが、流れを悪くしているケースが非常に多いのです。そこでおすすめしたいのが、お金を4つの種類=“色”で捉える方法です。専門的な会計知識がなくても、ひらがなと色で整理することで、今の状態がどうなっているか、どこに問題があるのかを直感的に把握できるようになります。
ステップ①:「4つの色」に分類する
まずは日繰り表の入出金を、次の4つに分けます。
入るお金
うる(売上)
かりる(借入)
出るお金
つかう(経費)
かえす(返済)
この4つが、いわば「お金の基本色」です。ポイントは、売上と借入を分けること、経費と返済を分けることです。
たとえば、
家賃・仕入・給料 →「つかう」
借入金の返済 →「かえす」
また、
家族が事業にお金を入れた →「かりる」
事業から家族にお金を出した →「かえす」
と整理します。
ステップ②:1か月分を集計する
次に、この4つをそれぞれ合計します。
うる(売上)= a
つかう(経費)= b
かりる(借入)= c
かえす(返済)= d
1か月分が理想ですが、難しければ1週間でも構いません。まずは分けて合計することが大切です。
ステップ③:収支を分解して見る
ここがこの方法の核心です。前月末の残高を A として、次のように整理します。
営業収支(本業の力)
のこる① = a − b
財務収支(資金調達と返済)
のこる② = c − d
総合収支
のこる③ = ① − ②
月末残高
B = A + ③
ここで見えてくるのは、本業でお金が残っているのか(営業収支)、借入に依存していないか(財務収支)という構造です。
色を使うと、さらに直感的に見える
数字が苦手な方には、色分けがおすすめです。
入金(うる・かりる) → 暖色系
出金(つかう・かえす) → 寒色系
営業・財務の収支 → オレンジ
総合収支 → 緑
残高 → 黄色
こうすることで、パッと見ただけで状態が分かる表になります。
ステップ④:未来を予測する
ここまでできたら、次は「予測」です。
来月の売上はいくらか
固定費はいくら出るか
返済はいくらか
通帳や請求書を見ながら、2〜3ヶ月先まで書き出してみてください。
すると、
「このままだといつ資金が足りなくなるか」
「どこを改善すればよいか」
が見えてきます。ここで一度、立ち止まってみてください。ここまで進めてみると、多くの方がこんな感覚になります。
「なんとなく分かるけど、これで合っているのか不安」
「数字は出たけど、どう判断すればいいか分からない」
「そもそも分類の仕方が正しいのか迷う」
これは、とても自然なことです。むしろここが、“感覚経営”から一歩抜け出す分岐点です。
一人で抱え込まないという選択
資金繰りの改善は、
正しく見ること
正しく判断すること
行動に落とすこと
この3つが揃って初めて前に進みます。ただ、実際には「見るところまではできたけど、判断で止まる」ケースがとても多いのです。だからこそ「誰かと一緒に見る」ことに価値があります。
まとめ
今回のポイントはシンプルです。
お金は4つの色で見る
営業と財務を分けて考える
未来を予測する
ここまでできれば、日繰り表は単なる記録から、“経営の羅針盤”へと変わります。もし、
「自社の場合はどう見ればいいのか知りたい」
「この数字で問題ないのか確認したい」
そんな段階に来ている方は、一度整理した内容をもとに、誰かと一緒に見てみるのも一つの方法です。少し視点が変わるだけで、お金の流れは驚くほど整い始めます。
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