「日繰り表をつけているのに楽にならない」理由—資金繰りが変わる2つの視点

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(おかね編)

日繰り表をつけているのに、思ったほど楽になっていない。このままで大丈夫なのか、と感じながら続けている。そんな感覚はないでしょうか。

毎日記録している。
数字も見えている。

それでも、資金繰りの不安は残る。実はここに、よくある“つまずき”があります。日繰り表は、ただ記録するだけでは変わりません。使い方によって、不安が続く状態にも流れが変わる状態にもなるのです。今回は、その分かれ道になる2つの視点をお伝えします。

日繰り表の目的をもう一度


ここまでの回でお伝えしてきた通り、日繰り表の役割は不安を減らすことです。そしてもう一つ大切なのが、お金の流れを良い状態に変えていくことです。そのために必要なのが、次の2つの視点です。

① 残高にこだわる

まず一つ目は残高にこだわることです。日繰り表はざっくりでいい、とお伝えしてきました。ですが残高だけは別です。

* マイナスになっていないか
* どのタイミングで減るのか
* どこで持ち直すのか

ここを見続けることが資金繰りを安定させます。売上が上がっているかどうかではなく「いくら残るのか」。ここに意識を向けることが会社を守ることにつながります。

② 入るを計り、出るを制す

二つ目は、入るを計り、出るを制すという視点です。家族経営では、

* 出ていくお金はほぼ決まっている
* 入ってくるお金は読みにくい

という特徴があります。だからこそ、

* 出ていくお金はコントロールする
* 入ってくるお金は慎重に見る

このバランスが重要です。例えば、

* 支払いのタイミングを調整する
* 分割できるものは分ける
* 無駄な支出を少し減らす

こうした小さな工夫が、お金の流れをじわっと改善していきます

やっているのに変わらない理由


日繰り表をつけていても変わらない場合、多くの場合、記録で止まっている状態です。

* 見ているだけ
* 書いているだけ
* 判断につながっていない

ここを越えると流れを変える道具に変わります

小さな会社ほど効く理由


小さな会社は、

* 少しのズレで資金繰りが揺れる
* 判断の遅れがすぐ影響する

だからこそ、早く気づき、小さく動くこと がとても重要です。日繰り表は、そのための“気づく装置”です。

最後に


「ちゃんとやっているのに楽にならない」

そう感じるときは、やり方ではなく“使い方”に原因があるかもしれません。

日繰り表は、 見るためのものではなく、判断するためのものです

そして、

残高を見ること
入る・出るを調整すること

この2つを意識するだけで、お金の流れは少しずつ変わっていきます。

行動の一歩


最初から完璧にやる必要はありません。

まずは、

* 残高を毎日見る
* 減るタイミングを意識する

それだけでも、お金の見え方は確実に変わり始めます。

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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