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山本武史

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山本武史(やまもとたけし) / コーチ

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コラム

【WLBコラム】アドラー心理学に基づく人間関係の築き方

2019年2月20日

テーマ:生き方改革

コラムカテゴリ:ビジネス

WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントコーチの山本武史です。



時間効率を考える上でも、
職場環境というのは大きな影響を持つものです。


働きやすい職場であれば、
集中力やモチベーションも高まって気持ちよく働けますし、
また、お互いに協力できるため生産性も高まります。


しかし逆に、働きにくい職場であれば・・・、

言わずもがなですよね。




その「働きやすさ」に大きく影響するのが、
職場の『人間関係』です。




現に、職場を辞める理由のトップ3には
必ず「職場の人間関係の悪化」が入っています。



さて、では職場の人間関係を良くするには
具体的に何をどうすれば良いのでしょうか?




そのヒントを読書実践会『嫌われる勇気』から
たくさんいただきましたので共有したいと思います。



さて、アドラー心理学では、
人間関係のもつれを紐解く考え方として
『課題の分離』というものを提唱しています。



簡単にいうと、
「自分と他者の間に線を引き、
 その一線をお互いに超えないようにする」
という考え方です。



もう少し具体的にいうと、
例えば、こどもの宿題はこどもがやるべき課題であり、
親の課題ではありません。

なぜなら、宿題をやらなかった結果を
最終的に引き受けるのはこどもだからです。


宿題をしなかったがために、
授業についていけなかったり、
必要な学力が身に付かなかったりしますが、
その責任はこども自身で負うべきですよね。



そういった意味で、「こどもの課題」であり、
「親の課題」ではないのです。


そして、誰の課題かが明確になったら、
その課題には他者は立ち入るべきではありません。


つまり、親がこどもに宿題を無理やりさせることは
課題の分離ができていない、いわば「強制介入」であり、
迷惑な行為なのです。



あなたがこどもの頃、「宿題しなさい!」と
親に口うるさく言われて参った経験があれば
わかりやすいと思います。



で、アドラーはこの『課題の分離』をすることで、
人間関係のもつれを一気に解消できるといっておりますが、

同時にこれは「人間関係の入り口である」とも言っています。




どういうことか?



この境界線を引き、他者に過干渉せず、
自分にも過干渉させずにいることは、
お互いを信じ、尊敬することを意味するからです。



例えばこどもの宿題に介入するのは、
「私が強制しなければ、こどもは宿題をしないだろう」という
不信感が土台にあるからでしょう。



そうではなく、
「こどもは自分で必要なことを学び取る。
 そして、必要なタイミングが来ればきちんと自ら学ぶ」
という信頼を持って関わることが重要です。



しかし、こどもが自分一人でできることは限れらています。
その限界を超えた時には援助することも必要でしょう。


そのためにも、
親子の関係は『適切な距離』を保つ必要があります。



その距離とは、
「手を伸ばせば届く距離」であり、
「必要な時に援助できる間柄」です。



こどもが「困った!」となった時に、
真っ先に親に相談できる関係が理想的だと思いませんか?

その距離感が大事なのであり、
その距離感を持って人間関係を築き始めることが重要です。


ですので、入り口なのです。





ところで・・・、
これは職場の人間関係でも同じくです。



上司は仕事の質を気にしすぎて
部下の仕事に過干渉することは避けましょう。


また、いくら自信がなくても、
上司や先輩に過干渉されるような態度も避けましょう。



きちんと「誰の課題か?」、
つまりは「その結果を最終的に引き受けるのは誰か?」を考え、

それが他者なら「その人を信じて任せる」を選択し、
それが自分なら「自分を信じてやりきる」を選択しましょう。



僕たちにできるのは、
本来的には上記の2択しかないはずです。



で、どうしても部下の仕事に干渉せざるを得ないときは、
あるいは、自分の仕事に他者を干渉させざるを得ないときは、

お互いに合意を取った上で『共通の課題』にしましょう。
(チーム全体で取り組むプロジェクトも『共通の課題』です)





それが自然とできる職場は
とても働きやすく、また働きがいも感じられます。



だって、他者の仕事を信じ、自分の能力を信じ、
まっすぐに仕事に向き合えるのですから。




さて、課題の分離を進める中で、
「これはどこまで言うべきか?」と迷うことがあります。



また、援助つもりが行きすぎてしまい、
相手が頼りすぎてしまうこともあります。



そこで常に念頭に置いていただきたいのが
僕たちが目指すべき『目標』です。


これは、人生における目標でもあります。



アドラーはこれを行動面と心理面に分けて示してくれています。

【行動面の目標】
1)自立すること
2)社会と調和して暮らせること

【心理面の目標】
1)わたしには能力があるという意識
2)人々はわたしの仲間であるという意識


判断に迷った時には、
この4つの目標に照らして考えるとわかりやすくなります。



行きすぎは相手を依存(自立の真逆)させてしまいますので、
相手が望んでいても「手を引く」ことを選択せねばなりません。


また、相手が自立に向けて動いていれば、
試行錯誤していても「じっと待つ」という選択をせねばなりません。



『課題の分離』と『人生の目標』を常に念頭に置き、
人間関係を築いていきましょう。



そうそう、『課題の分離』が人間関係を築く入り口(スタート)だとすれば、
出口(ゴール)となるのは『共同体感覚』ではないでしょうか。


共同体感覚とは、
「ここにいてもいいのだと思える感覚」
という風に僕は理解しています。
(専門家の方から見れば間違っているかもしれませんが・・・)



つまり、別の角度から見ると、
「ここにいて、わたしは役立てている」という感覚でもあり、
「わたしには存在する価値がある」と思えることだとも思うのです。



そのように、誰もが自分に価値があることを自覚でき、
誰かの役に立てていると実感できる職場ってどうですか?


とても幸せに働けるとは思いませんか?



さて、ではそんな理想的な職場の雰囲気は
一体誰が作り出せば良いのでしょうか?




アドラーはこう言っています。

「誰かが始めなければならない。
 他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。
 
 わたしの助言はこうだ。
 あなたが始めるべきだ。
 他の人が協力的であるかどうかなどは考えることなく。」





あなたはどんな職場で働きたいですか?


真剣に考え、
それを作り出す第一歩を踏み出してみてくださいね!



では、今回はこの辺りで失礼します。

この記事を書いたプロ

山本武史

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山本武史(ポテンシャルビジョン)

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