マイベストプロ香川
山本武史

ワークライフバランスを実現するタイムマネジメントのプロ

山本武史(やまもとたけし) / コーチ

ポテンシャルビジョン

コラム

【WLBコラム】『【第7条】コミュニケーション能力を高めよ!』生き方改革vol19

2018年8月8日 公開 / 2018年8月9日更新

テーマ:生き方改革

コラムカテゴリ:ビジネス

WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントコーチの山本武史です。


先日から『生き方改革』についてシリーズで記事を書いております。



前回、『【第6条】他の人に任せられないかを考えよ!』で
他の人の成長を見越して、仕事ややるべきことを任せることで
時間的余裕を見出そうというお話をしました。




今回は

『【第7条】コミュニケーション能力を高めよ!』

についてお伝えしていきたいと思います。



ところで・・・、
あなたは、コミュニケーション能力を高める努力をしていますか?



コミュニケーション能力を高めておかなければ、

「頼んだ仕事が条件を満たしておらず、手直しになり時間をロスする」

なんてことにもつながりかねませんので要注意ですよ!





さて、コミュニケーション能力といえば、
『伝え方』が真っ先に頭に浮かぶと思いますが、

実は、コミュニケーション能力において大切なのは、
『きき方』の方です。





なぜなら、僕たちは自然と以下のような欲求を持っています。



『認められたい』




これは「ほめて欲しい」とか「正しく評価されたい」といった
自分で作り出した表層的な欲求ではなく、

僕たちが本能的に持っている「存在の承認欲求」です。






少し話は逸れますが・・・。

僕たち人間は、『人』の『間』と表現されるように、
常に対人関係の中に存在しています。



そのような中で生きていると(あるいは仕事をしていると)、
常に、誰かの視線を感じることになります。



また、『仕事=分業』というところでもお話した通り、
僕たちは誰かに貢献したり、役に立つことで幸せを感じます。



つまり、誰かから存在を認められた状態でこそ、
他者に貢献することができ、
それが実感できた時に幸せを感じられるのです。




ですので、仕事をする上で、生きる上で、
大前提となるのが『存在を認められる』という感覚なのです。




あるいは、アドラー心理学では、
『共同体感覚』という言葉で表現していますが、

「わたしはここにいても良いんだ」という感覚が、
自分に勇気を与え、積極的に行動できるとしており、

これを裏返すと、僕たちは
「わたしはここにいても良いんだ」という感覚を欲している
ということが言えます。



すなわち、
先ほどの「存在の承認欲求」です。




いずれにせよ、
僕たちは誰かから「存在を認められる」ことを
本能的に欲しているのです。



で、それを満たす一番の方法が
「話をきいてもらう」ってことなのです。



その「きく」には
漢字で表すと3つの意味合いがあることがわかります。



1)聞く=音がただ耳に入っている状態
2)聴く=しっかりと相手の声なき声もきき取っている状態
3)訊く=足りない情報などを質問によって引き出す


これらのうち、
『聴く』と『訊く』を繰り返しながら
しっかりと相手の話をきいてあげてください。


そうすることで、相手の「存在の承認欲求」が満たされ、
良好な関係が築けます。

良好な関係が築けると単刀直入に仕事を依頼でき、
コミュニケーションミスによる時間のロスが減りますよね。






・・・と、

ここまで「きく」ことの重要性をお伝えしましたが、
もちろん「伝える」ことも重要です。


しっかりと伝えるためにも、同じく努力が必要です。




「言ってもわかってくれない」
「相手の理解力が低い」

などと相手のせいにはしないでくださいね。



コミュニケーションは相互で行われるものです。

どちらかが一方的に悪いなどということはありません。



例えばうちの妻は聴覚障害を持っています。

なので、普通にはコミュニケーションが取れません。

電話もできません。


ついでに言うと、手話もできません^^;



対面なら「とにかく面と向かってゆっくり」しゃべる。

電話の代わりに「LINE」や「メール」を使う。

対面でわかりにくい場合は「筆談」する。



当たり前のように「口」以外のツールを使います。



「コミュニケーションをとる」と言うことは、
お互いが同じように理解することがゴールです。



「私は言ったからね!後で聞いてないなんて言わせないよ!」

なーんて、ボールを投げつけて後ろを向くような話ぶりは
コミュニケーションとは言えません。




きちんと相手の理解を確認し、
理解ができていなければ、違う「伝え方」をしましょう。




さてさて、とは言え、
最初から相手が理解しやすいように話してあげられるなら、
その方法を知っておくことでミスが減り時短にもなるでしょうし、
ストレスも軽減されるでしょう。


と言うわけで、
コミュニケーションの基本原理を一つご紹介します。




ここでは、仕事の場面を想定しています。

ですので、
雑談などでの会話とは少し違いますのでご了承くださいね。





「仕事でのコミュニケーションのゴールはどこにあると思いますか?」



これ、研修でいつも訊くことなのですが、
ほとんどの受講生の方が困惑します・・・^^;




この問いの答えとしては

『納得すること』です。



なぜなら、仕事の指示を出された時、

「なるほど!わかりました!」
と言えれば、気持ちよく指示に従えますよね?


また、報告の場面でも

「そうか!そう言うことね!」
と納得できれば、しっかり報告が伝わったと言えますよね?



と言うことで、
仕事におけるコミュニケーションのゴールの一つは

『納得すること』です。



では・・・、
「僕たち人は何があれば納得できるのでしょうか?」



これも研修で問いかけては、困惑される問いです・・・^^;




この答えについては、
アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホール博士の言葉を借りましょう。



「人が納得するには、論理と感情が必要である」


博士は著書の中でこのようなことを教えてくれています。



『論理』とは、情報そのものと思っていただいて結構です。

「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」するのか?
そして、それは「なぜ」なのか?

といった、いわゆる『5W1H』情報などです。



そして『感情』とは、論理の対極側にあるもので、
情報の「背景」や「気持ち」などです。



脳科学的には、論理は左脳が扱い、
感情は右脳が扱うとされています。


僕たちの脳は右脳と左脳がセットで成り立っています。
なので、この両方が揃うことで納得度が高まるのです。


例えば、論理のみが満たされた状態だと
「いつ、どこで、何をするのかはわかった。
 けど・・・、どうも気乗りしない・・・」

と言った状態になることもあります。



逆に、感情のみが満たされた状態だと

「なんだか楽しそう!みんなの役にも立ちそうだね!
 けど、いつから、具体的に何をするの??
 それがわからないことには・・・」

と言ったように、納得度も下がってしまうことがあります。



ですので、二つとも必要なのです。


とは言え、
実は人それぞれ「論理」と「感情」のバランスは違います。



AさんとBさんがいたとして、
例えば、

「Aさんは論理的な説明が多い方が理解しやすい」

「Bさんは気持ちを聞かれながらの方が理解しやすい」



といった傾向の違いはあります。




男性と女性にも
似たような傾向の違いがありますよね。

「どちらかと言えば、男性の方が論理的、女性の方が感情的」

という傾向もよく指摘されるところです。




また、文化人類学的な見地から見ると、、、

「アメリカのような多民族国家では、
 論理的なコミュニケーションが好まれる」

「日本のように単一民族国家に近ければ近いほど
 感情的なコミュニケーションが好まれる」

と言った傾向もあるようです。


「アメリカの夫婦は会うたびに愛していると言わないと愛が伝わらないけど、
 日本の夫婦は愛しているなんてわざわざ言葉に出さなくても伝わる」

なーんて、言われるようなことでしょうかね。




さらに・・・、

「管理職や役員など役職が高い人ほど
 論理的なコミュニケーションを好む」

「現場に近ければ近いほど
 感情的なコミュニケーションを好む」

と言った傾向もあるようです。


これは、管理職になれば部下からの情報や
業界団体など社外の会議などから得られる情報などを
頭の中で統合し、論理的に考えて結論を出す仕事が増えるから
と言ったことが要因と考えられています。


逆に、現場は、特に日本においては、
生産性を高めようと思うと「みんなが気持ちよく働く」ことが重要となり、
そのために気持ちを一つにしたり、お互いに思いやったりすることに重きをおくから
と言った要因が考えられています。


で、この「違い」を知らないまま上司と部下がコミュニケーションをとると、

上司から部下に対して
「気持ちはわかるんだが、具体性がないんだよな」
という印象になりがちですし、

逆に部下から上司に対しては
「堅苦しくて小難しい話ばっかりなんだよな」
という印象になってしまうことがあります。


このすれ違い状態のまま、
指示や報・連・相を繰り返していると
仕事でミスが起きても仕方ない状態になってしまいます。




ということで・・・、

上司は部下に対して「大丈夫か?不安なところはないか?」などと
感情面や気持ちに配慮した声かけをしてあげることで部下の納得度が高まります。


部下から上司に対しては「結論と明確な理由を準備して話す」
といった工夫をすることで、上司の納得度を高めることが望めます。



お互いに
「理解しやすい形にして言葉で表現する」
といった努力が必要です。




コミュニケーションは、しばしばキャッチボールに例えられます。

キャッチボールの基本は相手の胸元へ投げること、
つまり、一番取りやすいところに投げることです。


そうすることで、
相手はしっかりとボールを受け止めることができます。


コミュニケーションにおいても、そうありたいものです。



これができれば、「言った」vs「聞いてない」の不毛なバトルを避け、
指示した通りに仕事が進むことが期待できるようになります。


ミスや手戻りがなくなれば、無駄な時間が減ります。

また、しっかりと納得した上で仕事をすることができれば、
「これをしておけば、さらに良いな」と、もうワンランク上を目指せます。


『時間を減らして、成果を高める』

今、働き方改革で求められていることそのものです。



ぜひ、コミュニケーション能力の向上を目指してくださいね!




今回は非常にボリューム感のある回でしたが、

それもそのはず、
このテーマだけで2日間の研修ができるものですので^^;


もし、ご興味ある方がいらっしゃったら、
こちらの情報もチェックしてみて下さいね↓

コミュニケーションを改善して働き方改革を推進する『コーチング研修』



さて、今回はここまでとさせていただき、
次回は『【第8条】振り返りを習慣づけよ!(KPT法)』についてお伝えいたします。



タイムマネジメント以外でも同じですが、
振り返りをすることで仕事の質はグンと上がります。


ですが、その振り返りって意外と面倒なんですよね^^;


その「面倒くささがなければ・・・」を叶える
とってもお手軽な振り返り法をお伝えしますので、
お楽しみにしておいてくださいね!

この記事を書いたプロ

山本武史

ワークライフバランスを実現するタイムマネジメントのプロ

山本武史(ポテンシャルビジョン)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ香川
  3. 香川のビジネス
  4. 香川のビジネスコーチング
  5. 山本武史
  6. コラム一覧
  7. 【WLBコラム】『【第7条】コミュニケーション能力を高めよ!』生き方改革vol19

© My Best Pro