「フキハラ」にご用心!?
WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントのプロ、山本武史です。
年功序列制が崩壊したと言われて、もう十数年経ちます。
能力や成果に応じた人事評価制度を取り入れている企業が
今や大半ではないかと思います。
そんな中、中小企業の経営者からは
「実は人事評価制度がうまく機能していません」
「やればやっただけ給与に反映する仕組みなのに、
なぜかみんなのモチベーションは上がりません」
「きちんと制度化して、
逆に不満の声が漏れ伝わってくるようになりました。」
なんていう声も聞かれます。
なぜ、人事評価制度が機能しないのでしょうか?
制度自体が間違っているのでしょうか??
いえいえ、そんなことはありません。
きちんと専門家に相談して、
良いものを作り上げている企業がほとんどです。
では、一体なぜ機能しないのでしょう??
今回は二つ、その理由をお伝えします。
まず一つ目は『背景』に注目してください。
その制度を作った背景(理由)、
必要だと思った背景(理由)、
作る過程における背景、
など、様々な背景があります。
これらを全く知らないで、
「今日からこの制度に則って評価する」
と言われても、寝耳に水です。
きちんと背景(理由)を伝えてみてくださいね。
で、もう一つ、
人事評価制度が、それだけで機能しない理由は、
「モチベーション」に関わることです。
そもそも、
モチベーションは大別すると、2つに分かれます。
一つは外発的モチベーション。
もう一つは、内発的モチベーション。
外発的とは、「外から発せられた」と書かれているとおり、
外部からの刺激によって起こるモチベーションです。
例えば、給与アップ、賞与アップ、昇格、
あるいは逆の、減給、降格などの罰則が挙げられます。
また、誰かからの「感謝の言葉」や「叱責」なども含まれます。
逆に内発的とは、「内から発せられた」とあるとおり、
自分の中から沸き起こるモチベーションです。
具体的には、興味や関心、好奇心などがそうです。
あるいは、充実感や満足感、それとは逆の危機感なども該当します。
外発的モチベーション、内発的モチベーションには、
外発的モチベーション=熱し易く冷め易い
内発的モチベーション=熱しにくく冷めにくい
といった特徴もあります。
で、人事評価制度がアプローチできるのは
『外発的モチベーション』の方です。
『内発的モチベーション』にはアプローチできません。
なので、人事評価制度を導入しても機能しない場合は、
『内発的モチベーション』にアプローチする方法を
考えてみて欲しいのです。
内発的モチベーションにアプローチするためには、
『対話』が有効です。
そのために、経営者(管理職)としては
『引き出すコミュニケーション』の力が求められます。
言いたいことを言うのではなく、
相手の言いたいことや本音を引き出すコミュニケーション能力です。
で、具体的には、
社員それぞれの『興味』や『関心』であったり、
あるいは、
『得意なこと』や『強み』などです。
それらを聞き出した上で、
目標管理などをされるといいでしょう。
この目標も自分たちで設定しなきゃ意味ないですので、
そのあたりでも『引き出すコミュニケーション』を大切にしてくださいね!
そうすることで、
外発的にも内発的にもモチベーションが高まる機会が多くなり、
高いモチベーションを維持しやすくなります。
また、内発的モチベーションにアプローチすることで、
高い状態を継続し続けられる可能性も高まります。
二つのアプローチを偏りなく行ってみてくださいね!
では、今日はこの辺りで失礼します。