【WLBコラム】教育現場の働き方改革のためのタイムマネジメントとは
WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
タイムマネジメントのプロ講師、山本武史です。
先日、ある方とお話ししていて・・・、こんな疑問が出てきました。
「勉強会を実施した後、『参考になりました』『いい方法だと思いました』など、
高評価だったにもかかわらず、そのやり方を実践しない人の方が圧倒的に多いのはなぜか?」
僕自身も講師をしていて、同じような疑問を感じることがあります。
アンケートには「参考になった」「目から鱗でした!」「早速実践します」
といったうれしい声が並びますが・・・、
「一体どれくらいの人が研修内容を実際の仕事に生かしてくれているだろうか?」
もっと言うと、
「どれくらいの人がやり方を変えてくれているだろうか?」
と、不安になることもあります^^;
で・・・、
いろいろ調べていると、どうやら1〜2割くらいだそうですね。
1ヶ月後に研修内容を実践している人の割合って。
ちょっと寂しいですねー^^;
ですが、ある調査結果を見ると、それも少しうなづけます。
それは・・・「忘却曲線」ってグラフです。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス先生が調査した結果だそうです。
その結果とは・・・、
20分後に42%
1時間後に56%
1日後に74%
1週間後77%
1ケ月後79%
を、忘れてしまうというものでした・・・。
なんと、すごいスピードでしょうか!!
と言うか・・・、
僕たちは覚えたそばから忘れていくようですね^^;
(ただ、この実験は分かりやすくするために、
あえて意味のないアルファベットを記憶させています。
興味関心の高い内容や、インパクトを受けたものは
記憶され続ける割合も高くなるでしょうね)
まぁ、8割方忘れてしまうんなら、
8割の方が実践していないってのもうなづけます。
が、記憶力の問題だけではないような気がします。
『覚えていないから実践できない』
のではなく、何か他にも原因があるのでは・・・?
『やり方は知っている(理解している)』
かつ、『いい方法だとわかっている』
にもかかわらず、行動が変化しないのは、
『自分を変えたくない』
と言う心理が働いているのではないかと思うのです。
そこで、心理学などを紐解いていくと・・・。
ちょうど今、僕も学んでいる『アドラー心理学』関連書籍の
『幸せになる勇気(岸見一郎著)』にこんな記載がありました。
==以下抜粋======
「あえて過激な表現を用いるなら、
変化することは『死そのもの』なのです。
(中略)
自分を変えるとは、「それまでの自分」に見切りをつけ、
「それまでの自分」を否定し、「それまでの自分」が
二度と顔を出さないよう、いわば墓石の下に葬り去ることを意味します。
そこまでやってようやく、「あたらしい自分」として生まれ変わるのですから。」
==ここまで======
そう考えると・・・、
確かに「いい方法だとわかっているけど、まぁ今のままで大丈夫だろう」
と思っている限りは、元の行動は変えられません。
逆に『行動が変えられたもの』の過程を思い起こしてみると、
「やばい!是が非でもなんとかせねば!」と強い危機感に襲われたり、
「これは本当に良い!絶対に続けよう!」と良さを実感している時なんじゃないかと思います。
あなたはどうでしょう??
つまり・・・、
働き方改革や、ワークライフバランスの実現に向けて、
様々な研修や学びを得るわけですが、
その『やり方を教える』または『やり方を知る』だけでは
不十分なんだってことです。
働き方改革がうまくいかない、進まない、
学んだことや導入した仕組みや制度が続かない、
といった状況にあるなら、
「なぜ働き方改革が必要なのか?」
「ワークライフバランスの実現によって何が得られるのか?」
といった「そもそも論」を
話し合う必要があるのかもしれませんね。
「何が必要なのか?」
ではなく、
「なぜ必要なのか?」
そんな観点から話し合い、
働き方改革や業務改善、ワークライフバランスの実現を
スタートすることが大切なんじゃないかと思います。
ご興味のある方は、下記のサービスなども参考にしてくださいね。
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